2003年の黒鯛釣果(11月6日)

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 納 竿 同行者 釣 果
11/6
鋳釜崎
曇り 中潮 13:51 7:28 5:30頃 15:00 1 0
 ここ3〜4年は公私ともにいろいろ忙しかったというのと、冬の磯に出るのが辛くなってしまったという二つの要因があってご無沙汰してたが、我がホームページに「寒クロの釣行記」が無い事をめざとく見つけたごく一部のファンから強烈なクレームがついたため(笑)、一念発起して今年から再びチャレンジすることになった。
 鋳釜崎(いかまざき:あるいは、濁って、いがまざき)は1999年以来4年ぶり。ココは黒鯛にのめり込む大きなキッカケとなったポイントである。もしもこの地を訪れてなかったら、こうやって釣行記はおろか、我がホームページに「黒鯛村」は存在していなかっただろう。

 青森市から北に約60キロ。津軽半島の東北端まで1時間ちょっとで到着する。
 11月の声を聞くと、ココには黒鯛に狂った大勢の者達が押しかけ始める。サイズは30〜35センチ平均と、みんなに自慢できるような大きいヤツは釣れないのだが、数が出るということと、この時期の黒鯛は味も良い事から、人気があるのだ。場所取りのため午前0時頃にはポイントに陣取っていないとダメなほど大賑わいになるのだが、この日は違った
 午前4時、駐車場に着くと、わずか1台。思わず、目を疑った。急いで準備をして同行のK・佐藤氏と目指すポイントに向かった。

 日の出は6時過ぎ。まだ辺りが明るくなるまで時間がある。重い荷物を担いで来た疲れをいやすため、空を仰いだその時、ため息が思わず出た。ロマンチックな星の数々。素晴らしい。あまりの光景に、つい、佐藤氏をなぎ倒して……ううう、いくらなんでもそこまでは(笑)。

 さて、まじめな話に戻そう(笑)。
 この日の天候は、珍しく穏やかで釣りの条件は問題がないと思われたのだが、前日来のウネリが多少残り、我々の陣取った低い釣り座は時折、中波&小波が押し寄せる状況だった。人が波にのまれるというような事はなさそうだが、バッカンなどの道具が持っていかれる可能性を秘めるウネリがあり、注意を要する釣りとなった。磯釣りの場合、この判断はとても重要である。釣りだけに没頭することなく、常に波を観察する事は、人生の長い間、釣りをしようとするならば必須。寒クロ期はこのようなモノが特に強く求められる。

 予め得た情報では、水温が15℃前後とまだまだ高く、エサ取りも活発だと聞いていたので、それなりの対策をとって望んだ。なるべくオキアミを主体にし、配合エサを少なめにして、邪魔モノをかわす作戦をたてたのだが、手ごわかった。上層にはサヨリ、中層から底にかけてはフグ、ベラなどがいるらしく、肝心の黒鯛が興味を示す頃には針先にエサが残っていない状況。数が出る鋳釜にしては、付近の誰の竿も曲がらず淡々と時間が過ぎていった。
 午前8時頃、一人の釣り師の歓声でようやく本命が姿を表した事を認識し、集中力を高めた・・・・だが、続かない。当初、付近に見える範囲では8名が磯場に立っていたのだが、ポツポツ、一人二人と消え、寂しくなってきた。この静けさをやぶるように、ジェット戦闘機がペアで、突然、襲来し、巨大な音とともにまた消える。正確な情報は持ちえていないが津軽海峡は、重要な戦闘訓練空域なはず。もしかしたら、目に見えない海底では、各国の潜水艦が右左へと行き来してるのかもしれない。様々な状況を想定した作戦が展開されてるのか、何度も上空を縦や横に通過した。これが実戦ではなく、あくまでも訓練であることを一生願うものである。

 結局は本命「0」。サヨリ、フグ、ベラのオンパレード。以前、我が釣行記を読んだ、釣りにあまり詳しくない、ある友人から「釣りってなんにも釣れなくて、つまんないな」と言われた事がある。コレに反論すべきか迷ったのだが、黙った。あくまでも本命黒鯛を釣りたい自分にとっては他の魚が釣れてても、それらに触れることがないため、氏には「なぁ〜んにも釣れていない」との印象を強くしたらしい。そうじゃないんです、雑魚はたくさん竿を曲げて結構忙しいんですが、本命が来ない限りは喜べないんですよ。わかって欲しい!!

 5年ぶりの鋳釜は、イイ思いをさせてくれなかった。午後3時には納竿し、帰宅の途についたが、春先と違い、どんどん陽が落ちる。家に着いた頃は、もう真っ暗。深夜に出かけて深夜に戻った気分になり、丸一日、遊びほうけた罪悪感を持った(笑)。アッと言う間の一日だった。

フォトギャラリー
↑私の釣り座から左方向。良く見えないかもしれないが、5名の釣り師がいる。このポイントは北海道を見ながらの釣りになる。 ↑同じく私の釣り座から右の方向。中央に一人居るが、この先は行き止まり。その氏が本日、唯一の一枚を上げて、意気揚々と昼過ぎに退却しました。 ↑時折、来る波。ウネリには常に注目し、満潮の時刻なども頭に入れて低い磯場に入らないと痛い目に遭う。この判断は紙一重でもある。
↑遠く西方に高野崎灯台を望む。この辺りも黒鯛の好ポイントが多い。 ↑エサ取り対策用に「生サナギ」を用意してきましたが、結果を出すに至りませんでした。 ↑この小さめのワンドが好ポイントなのですが、うるさすぎる雑魚にお手上げで、朝方は多かった人達が昼過ぎにはもう居なかった。
↑水温15℃前後。暦と違って海の中は魚達が活発に動き回ってます。このサヨリも上層でものすごい数が蠢いてました。 ↑フグにはかなわない。コイツの手にかかるとエサだけじゃなく、針ごと食べられてしまうので泣きが入いる。 ↑161段。普通のビルにして約10階分ぐらいの高さ。駐車場はこの上にある。
↑行き(下り)の約20キロに比べて、帰りは荷物が軽くなっているとはいえ、長時間立ちっぱなしで釣りをした後の昇りは体に応える。 ↑見上げると「イヤんなる」。釣れない時などはエレベーターでも取り付けてくれればいいのにと腹を立てるときも(笑)。 ↑まだ20段ちょっと。気持ちはまだ余裕があるが、いかんせん、体が…。体脂肪率を減らすためだ!と強く自分に言い聞かせる(笑)。
↑昇りきるとごらんのような案内が。景色は確かに良い。津軽海峡が見渡せて、前方には北海道の渡島地方が目と鼻の先に見える。 ↑山手には大泊小学校があります。木造で、昔、自分が通った学校の雰囲気を持っており、なぜかほのぼのしてくる校舎である。 ↑まだ5時なのにもう真っ暗でお月様が…。乗っこみ期と比べて、だいぶ一日の時間を損したような気分になってしまう。