2005年の黒鯛釣果(6月15日)

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 納 竿 同行者 釣 果
6/15
曇り 小潮 9:11 3:09 5:00頃 12:00 1 1
 下北に釣行するようになって今年で6年目。
 例年より少し早い下北見参を計画してみた。自分の頭の中では下北は6月下旬から釣れ始めると考えており、この時期はまだ早いと思っていたのだが、釣友の「ボウズ覚悟でも可能性(大きいサイズの可能性)を求めるなら釣行する価値は十分にある」との言葉に魅力的な響きを感じ、決断した。

 予報ではヤマセ(北東風)が吹き、朝のうち曇りで昼から晴れるが、気温は上がらず肌寒い一日になるという。前2回の釣行では日が差す良いお天気に恵まれ、すっかり“陽気釣り”に慣れてしまったが、今回はちょっと違いそうだ。インナージャケットを一枚余分に着てポイントに向かったのだが、これで正解だった。下北はほぼすべてのポイントが西側を向き(つまり西風が強いと、釣りはまずムリ。渡船すら不可能である)、ヤマセ(北東風)は背中に風を受けて釣りをする格好となることから、比較的、楽な風だと思っていた。確かに波は穏やかであるが、それも風の強さによっては話が違ってくる。
 風は岩壁をつたってくるらしく、南側から吹き、時折、突風を伴って、苦しめた。また、ポイントまで我々を運ぶ船の中は、これまた過酷で、船尾に陣取った我々は波しぶきと排煙をたらふく浴び、二重の苦しみを味わっていた。この経験から、復路では船首に陣取った。

 今日、私が目指すポイントは大崎。港からはかなりの遠い距離にある。初めてのポイントでもあり、少々不安もあったが、降りてみると、まぁまぁ足場もよろしく、気に入った。ただ、目の上のたんこぶならぬ、目の前の小さな“離れ岩”が気になった。
 後から聞いた話だと、これに飛び跳ねて移り、釣り座を構えるのだという。実際、ソコは前方270度のパノラマ釣りが可能で、よっぽど飛ぼうかとも考えたのだが、その距離が微妙である。自分の体力からして、飛べそうで飛べなさそうな距離なのだ。バッカンを持ってのジャンプも自信がなく、向こうの着地点が平らであればまだしも、凸凹があっては、足首をくじいたり、最悪の場合、海を泳ぐ事態にもなりかねない。冒険する若さをもはや持ちあわせていない私は、おとなしく“離れの手前”で釣る事を決断したのだった。

 “離れ”前の左側に釣り座を構えると、ウキは少しずつ沖へ流れ、少なくとも“離れ”とバッティングする悪いパターンは避けられ、ホッとする。開始早々、ウキが何度も消し込み、忙しい釣りになった。まず最初は35センチほどのコブダイ。立て続けに2匹釣れ、早速、タモ入れ。次にアイナメやソイ、メバルの下北サイズ(通常、日本海側で釣る時より3割ほどサイズアップ)が顔を見せ、抜き上げるという無謀な事をせずにタモで大事にゲット。その後、ウグイも加わり(当初、上層で悠々と泳いでいる姿を見て、てっきりボラだと思った)、意外にもエサ取りの活発さに驚く。とはいえ、フグやアジなどと違い、パワーがさほど強くない魚種でもあるため、辛抱して食いのいいオキアミをそのまま使ってみた。

 午前6時。にぎやかな釣りの中、ググーッと強引に竿を曲げる魚がヒットした。間違いなく黒鯛だ。水面に浮かんできた魚体もギンギラギンに光り、まさしくソレだった。うれしい。開始から1時間チョイの結果に欲が出る。まだ、この先6時間もある。少なく見ても、あと3枚は期待できるのでは?と算段するが……。

 だが、現実は甘くなかった(笑:当たり前じゃぁ〜)。このあと、当て潮に変わり、しかも正面から強烈な風を受けるようになったので、たまらずに“離れ”前の右側にポイント移動してみた。ところが、こちらは海底の藻が繁茂し、根がかりならぬ藻がかりが多発し、全く釣りにならない。

 たまらん。
 しょうがない、元のポイントに戻り、風と正面きって戦った。
 今日は船頭の都合で正午の陸上がり。残り2時間ほどになり、朝方のにぎやかさがウソのように静まり返った海に変貌し、尻すぼみ状態で午前11時半に納竿となった。でも、釣果が出たのは何よりである。素直に喜ぶ。
 なお、サイズは正式に計測しなかったので不明だが、34センチぐらいか(帰宅後に測ろうとしていたが、道具のメンテナンスをしているうちに、ウチの料理長が既に頭を落とし、調理した後で手遅れだった)。

 また、釣り場では気温が上がらなかったのだが(最高気温約16℃ほど)無防備な指先をなぁ〜んと蚊に刺されてしまった。これにより急きょ、蚊取り線香を出動させるなど、対処したのだが、小さな虫といえども生命力がたくましい事にビックリした。

フォトギャラリー
↑背中から弱いヤマセを受け、波も穏やかで、最初は釣りやすかった。ただ、目の前の離れ岩がちょっと邪魔。 ↑朝方はいろんな魚種が竿を曲げてくれた。コレは35センチほどのコブダイ。お尻に「タイ」と付くが鯛ではない。ベラの仲間。 ↑飛び移るには微妙な距離。私には跳ねる勇気がなかった。万が一、海に落ちても助けてくれる人が誰もそばに居ないんだもん。
↑背後には、高さは20mほどあるだろう象のような形をした巨岩があった。鼻に見えませんか?私なら「暴れ象」と命名する。 ↑新しく購入のストリンガーに魂が入った。このあと仲間を繋ぐ“予定”だったのだが、彼らは無情にも見捨てた(笑)。 ↑ヤマセ特有のどんよりした曇り空。6月中旬に長袖のウエアを4枚も着込むなんて、悲しいではないか〜。
↑釣果が出て、ホッとした気分でポイントをあとにした。このあと、往路同様にたっぷりと海水を頭からかぶった。おかげさまで肌はスベスベ…なような気がしている。 ↑持ち帰った釣果。アイナメは家族1人にそれぞれ1匹ずつの5匹。たった1匹の黒鯛は命の尊さを感じつつ、大事に私の胃袋へ。ほんで一番上の魚は……(右の文を参照→) ↑カレイでなくてヒラメです。実は私の釣ったものではなく、船頭さんからのプレゼント。脇野沢に限らず、このようにお土産をいただくケースは結構多い。贅沢なこってす。