あすぱむ徒然草

 巡視船「ざおう」一般公開 7/22
 22日と23日の二日間に渡り、青森市の新中央埠頭において青森海上保安部主催による巡視船、及び、巡視艇の一般公開と体験航海が行われました。PLH型巡視船「ざおう」(宮城県の塩釜海上保安部所属)はヘリコプター1機を搭載し、乗員約40名(女性数名?)が働く、東北では最大級の船です。ワタクシ、釣りをすることから、万が一の際は、お世話になる事がないとも言えないので、海保さんには少なからず尊敬の念を持っており、この日を心待ちにしていたところです。ハハハ。

 近頃は海を隔てて接する隣国とのトラブルに海保が出動する機会が増え、ニュースなどでも大きく取り上げられるため、随分、身近に感じるようになりました。船の前のほうには機関砲が備えられており、2年前でしたか、某国の工作船と戦って撃沈させたモノよりもこちらはパワーがあると聞かされ、できることならば使われる事がないよう願った次第です。

 「ざおう」と同時に青森海保所属のPM型巡視船「おいらせ」も公開され、こちらも見てみました。「ざおう」に比べると総トン数にして約10分の1と小さめですが、昨年(2004年)就航したばかりの新しい船でして、ハイテク装備の立派な船でした。見学時刻の4時ギリギリまで見ていたところ、突然「うみまる」と「うーみん」が出現。何事かと思っていると、おもむろに頭を外しました。その場には私の他にも4〜5名の見学者が居たのですが、まるで覆面プロレスラーが正体を明かす時のようにドキドキしながら、じっと注目すると、気ぐるみとは似ても似つかない、スリムでたくましい男性が現れました。しきりに暑がる様子に現場は大笑い。周りの上司に「良く似合ってるぞ」と冷やかされつつ、吹き出る汗をぬぐってました。明日の体験航海では、プログラムの最後に「おいらせ」から「うみまる」と「うーみん」が手を振ってお別れの挨拶をするそうで、「手はこうやる」「体はオーバーアクションで」などと、その練習を“やらされて”いました。

↑うみまる(左)と、うーみん(右)も来てました…などと書いておきながら、現場ではさっぱり無知でした。 ↑コックピット。これだけの計器を操るのは楽しいでしょうね。オートマ車がつまんないと思う私には、コレ最高ネ! ↑ヘリコプター「しおかぜ」の格納庫。荒天時の出動が多いだけに離発着の危険度はトリプルAだそうです。
↑操 舵 室↑
↑機関砲二つ。 ↑直径50センチ以上あるサーチライト。 ↑船内の通路。狭い。家具の出し入れ大変。
↑休憩所。海保も女性の進出が目覚ましいらしく、ちゃんと女子用トイレがあったのは理解出来るのだが、不思議に思ったのが授乳室。職員のためというよりは、救助したり、あるいは海上犯罪でつかまえた者に対象者が居た場合の設備だろうか?でも、わざわざ作るだけの部屋と言えるのかな?
↑揺れる船内ゆえ、このようにして転倒防止の策が…。ただ、いっそのこと取り払ったほうが良さそうな気もする。 ↑休憩室の一角にある、ちょっと高級そうな応接セット。位の高い人が座るのか?なお、船長室を見たくて、お尋ねしたところ「職員の個室は公開しておりません」とのこと。
 巡視船「おいらせ」一般公開
操 舵 室
↑うみまるが疲れた様子で「ざおう」から戻ってきました。明日の手の振り方を指南されたあと・・・・・・。 ↑おやおやおや、頭がとれました。
そして・・・・。
↑「うみまる」と「うーみん」の正体が…。着るのもそうでしょうが、脱ぐのも大変そうでした。
 巡視船体験航海 7/23
 体験航海の募集をネットで見て、ハガキを出そう出そうと思っていたのですが、その前に定員800人に達してしまい、残念に思いつつ、前日の船内見学に足を運んだのでした。その時、案内の方とお話するうちに「明日の体験航海、乗りたかったなぁ〜」と言うと「ちょっと早めに来て、キャンセル待ちで並んでみれば、きっと大丈夫ですよ」という。
 ん?その手ありかい?

 アドバイス通り、正午からの受付開始より1時間早く駆けつけてみました。さすがに一般の人は誰も居ないし、受付もまだ準備中。一人の係

員を捕まえて、前日に言われた事を話してみると「名簿に記入し、指示を待って欲しい」という。オ〜、脈はありそうだ。記入欄はまだ誰も書いていない事から、今日の一番乗りは自分だぞぉ〜!と少し鼻高々気分に(笑)。希望を持って、その場を離れ、まだたっぷり時間があったので、新中央埠頭の新たな名物、先端の灯台まで歩いてみました。約200〜300mの距離があり、途中はなかなかの演出効果がなされている。お天気の良い夜にカップルで来れば、ムード満点なライトアップが効果を発揮し、すべてうまく行きそうなカンジ。

 再び、戻ると、受付が始まっており、予想以上にたくさんの人でごった返していました。先ほど持ちかけた希望が少し薄れかけ、ダメならしょうがないと思った時、声が掛かりました。「先ほど、名簿に記入した方、全員、乗船してください」と。

 ヤッタ、ヤッタ、ヤッタァ〜!!!こうしてめでたく乗船することが出来たのでした。

 甲板に上がってみると、足の踏み場もないほど人で溢れ返っているかと思いきや、フェンス前にはひしめき合っているものの、中央はいくらでもスペースがある。800人ほどの人間をいとも簡単に飲み込んでしまう、この船の大きさを改めて思い知ることとなりました。
 近くの案内係にどんなスケジュールで行なわれるのかと聞くと「時間は約2時間半ほど。夏泊半島方面へ向かい、途中、数種の訓練をお見せします。それらは船の左側で披露されるので狙い目はそちらです」とのこと。

 午後1時。ようやく出港。みんなは敷物やお菓子や飲み物などをシッカリ準備してきており、まるでピクニックみたい。自分はというと、デジカメと双眼鏡を用意しただけで、お楽しみはなぁ〜んにも無い(船内のジュース販売機は故障中)。屋根の無い甲板だけに、飲み物ぐらいは用意すればよかった。結局、暑い日差しの中、2時間半、水分を一切取らずに見学しました。

高速追跡のデモ 甲板の様子
 主なデモンストレーションは3つ。青森海保の「おいらせ」「さわかぜ」「ひばかぜ」3隻が赤、青、白の海上放水で一つ目がスタート。続いて海に漂流するケガ人を高速ボートで救助し、本船に引き上げた後、緊急で地上の病院へ搬送する必要が生じ、ヘリで空輸するという“手に汗握る訓練”。最後は高速で逃げる不審船をヘリで追跡する機動訓練。それぞれに「あらららら〜〜〜」等の歓声がステレオで鳴り響き、海保の仕事に理解を求めるという初期の目的は充分達成したみたいでした。

 なお、デモのすべてが船の左側で行なわれたため、人々が7対3の割合で左に集まり、その結果、微妙に傾く状況になりました。ちょっとだけ三半規管が異常をきたし、平衡感覚が怪しくなりました(笑)。

 あと、5名の方からカメラのシャッターを押すよう依頼を受け、私って意外に頼みやすい顔でもしてんのかな?と思った次第です。

 今後もこのような企画があればまた参加してみたいと思いました。皆さんもおでかけになってみてはいかがでしょうか?

↑甲板では各自、敷物を敷いて、まるで花見のような光景が。好天で良かった。 ↑出港後、まもなく始まったのが海上放水。3色の放水が行なわれると、甲板のあちこちで「ほえ〜」とも「ひゃぁ〜」とも言葉にならない歓声が上がった。
↑漂流者が海に飛び込むと「あらら、大丈夫だべか?」の声が(笑)。高速ボートがたどり着くと「えがった、えがった」。ヘリで空高く引き上げられると「怖い〜」。おばちゃん達さぁ〜、これは訓練なのよぉ〜・・と言っても無駄よね。どうせ、知ってて、声上げてるに決まってる(笑)。
↑おいらせを不審船に見立てて、高速で逃げ惑い、それをヘリが追いかけるというデモンストレーション。それにしても、白い船体は青い海に良く映えるねぇ〜。 ↑前日の練習通り、手を振ってお別れの挨拶をしていました。
↑ヘリのドアを開けて、隊員がお別れ。結構、高さもあって一般の者にとっては怖いと思います。リアル・プロだね、こりゃ。 ↑青森海保所属の3隻が港までエスコート。 ↑全員満足して下船しました。外国人夫婦には「シャシン、オネガイシマス」されました。「OK、OK、ハイ、バター」

Back