2003年の黒鯛釣果(7月17日)

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 納 竿 同行者 釣 果
7/17
下北
曇り後晴れ 中潮 4:58 11:45 4:30頃 14:00 0 2
 五月以来、休みを完璧に黒鯛釣行に費やし、体力面、経済面とも限界に近づきつつあることから、取りあえず、乗っ込み期の黒鯛は本日をもって終了・・・のつもりで望んだ下北最終釣行。今回は有終の美を飾りたい気持ちが強いため、ポイントのセレクトに頭を悩ませた。
 その結果、決定したのが「アモ十」(東奥日報社刊の「空から見た青森の海釣り」では「アモ十太岬」という地名があるが、船頭さんにココへ行きたいとリクエストすると、そこよりは手前の定置網用のクイが打ってある所へ人を降ろす)。決定に至る理由は以下の通り。

 アモ十(呼称:あもじゅ)には2000年の6月に上がった事があり、その日は下北での黒鯛釣りが初めての日で、私にとっても記念すべきポイントだった。その時の釣行記を読むと、ボウズに終わって悔しがったサマが書かれている。そんな苦い思い出があるため、ホントは近づきたくないのだが、当時、アモ十への上陸を薦めてくれた木下船長(2000年秋、病気のため逝去)に“借り”を作ったような気持ちを自分勝手に持っており、いつかはお返ししたいなと思っていた。もちろん、リベンジも兼ねており、そんなことから「アモ十」に決定!

 3年ぶりに訪れたアモ十は定置網を支える木の杭が新しくなっていた以外、何も変わっていなかった。当時は餌取りの猛攻にあい、釣りをさせて貰えなかった経験があるだけに、準備を始める間、そのことが頭の中をグルグル巡っていた。午前4時半、時折、風が右から強く吹くが、そんなに気になるほどでなく、穏やかな波に向けて2Bのウキを投げ入れた。まもなくしてウキがシューッと引き込まれ、生体反応あり!顔を出したのは朝まづめの定番、クロソイ。その後もメバルなどが続き、相変わらず、ココは賑やかな魚達で溢れているようだ。
 水温は17℃。この時期にしては低い。ヤマセの影響大だ。
 (下へ続く)

フォトギャラリー
↑朝まづめに定番のクロソイがヒット。まもなく、小さなメバルも混じり、竿のウォームアップには万全の体制が整う。 ↑その後、フグも混じるが、海馬島のようなひどさは無く、手返しと撒き餌の工夫でかわせる救いがあり、その時を待つ。 ↑午前6時、来ました、ウキを消し込む本命が…。思いの外、引っ張ったなぁ〜。アモ十の“初黒鯛”は感慨もひとしお。
↑ココがポイントです。赤丸印付近が、今回の釣り座。右に向かって定置網の白いロープが延びているのがわかりますか? ↑直径約15センチの木製の杭は、沖合に仕掛けられた定置網を見守る守護神のように直立していました。 ↑足場は多少、ボコボコしてますが、あまり苦にならない。狙いのポイントは主にロープの右側になる。
↑上写真の丸印から左上の崖中腹付近で撮ったモノ。ココらには小枝が散乱していることからカモメの巣があるみたいだ。 ↑船長の話によるとウニ採りの盛期だそうで、付近では漁師さんが一生懸命仕事をしていた。こちらは遊び。申し訳ない。 ↑午前9時半。上口に奇麗に針掛かりした二枚目が来ました。これもまたサイズ以上のファイトをしてくれました。
↑ストリンガーに魚が掛かっていると、ホッとします。ギンギンと光った、この魚体、ホント、カッコいいなぁ〜。 ↑遊びでキャストしたルアーに、まさかこんなでかいメバル(33センチ)がヒットするとは思わなかったなぁ。 ↑メバル、ソイ系統の口が大きい魚は絶命すると、こんな感じになります。なぁ〜んか、歌でも歌ってる感じだと思いませんか?

(上から続く)
 午前6時。それまでウキをなかなか底まで持っていけなかった小魚とは違う、強引なヤツが現れた。合わせを入れると、重い引きがグングン右手に伝わってくる。間違いない、本命が来た!ようやく付け餌が黒鯛の口の所まで届いたらしくヒットしてくれた。3週間ぶりの手応えは、まだ海底にいて姿を現さない黒鯛を大きいサイズに錯覚させた。
 31センチ。40はあったと思ったのに・・・。いや、これで十分だ。早い時間に釣れたことでかなり気分が楽になったし、何よりも、冒頭で述べた故人への借りを返した晴れやかな気分になれた事の意義は大きい。

 このあと、次第にフグが騒ぎだし、餌取りに苦しんだ前回と同じ状況へ進む。ただし、この3年間で積んだキャリアは無駄ではなかった。フグの数もそれほどたくさんいるというわけでもなく、いろいろと手を尽くした結果、午前9時半、再び、大きく竿を曲げる本命が針掛かりした。一枚目よりは確実にサイズアップの手応えを感じながら、慎重にやり取りして、上がってきたのは36センチだった。う〜ん、楽しい。すかさずコマセを入れて、爆釣モードへ突入したいと思ったが、結局は、この二枚で終了。人間とは欲張りなもので、ボウズを逃れると二枚目、二枚目が釣れると三枚目、四枚目・・・とエスカレートしてしまう。ココは二枚で我慢しよう(笑)。

 ところで、今釣行ではルアー竿も持参して、来たるシーバス釣行のキャスト練習を少ししようと目論んだ。迎えの船が来る1時間前にウキ釣りを止めて、午後1時過ぎ頃から開始。ヒットしてくれればラッキー!!みたいな気分でキャストすること数回・・・・ジグが根掛かりしたのか、ハンドルがグッと重くなった。だが、リールは巻ける。魚の手応えを感じないまま、ゴミかもしれないとの思いで、とにかくジグを回収したい気持ちで巻いたところ、メバルが付いていた。しかも真ん丸と太った、大きいメバルにはビックリ。33センチの立派なメバルだった。体高もあるため、本命の36センチ黒鯛より大きく見えるのには閉口しつつ、キャストを繰り返すと再びヒット。また、同じサイズである。下北は各種の魚のサイズが大きいというのはわかっていたが、こんな大きいメバルは初めて見た。
 漁港に戻り、船長に見せたら「オォ〜、おっきぃ〜なぁ〜。市場で買えば1500円はするな。黒鯛より高級魚だもんな」と金額的な比較を言われてしまい、素直に喜んでいいのか複雑な気持ちになってしまった(笑)。

 今回で黒鯛釣りを終えて、しばらく下北には来ない旨を伝えると「このあともまだまだ釣れるのにヤメるのがぁ。もったいないな。仕掛けた網にだっきゃ、60センチ近い黒鯛が昨日もバンバン入ってだんだでぇ〜。お盆の頃まで来る人もいるのになぁ」に、思わず目がテンになった。非常に悩ましい言葉であるが、ケジメは付いたので、気持ちを切り替えるつもり・・・・。