2005年の黒鯛釣果(6月8日)

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 納 竿 同行者 釣 果
6/8
船頭泣き島
晴れ 大潮 14:23 --- 4:30頃 14:00 0 1
 加茂漁港から出港。男鹿の船頭はそれぞれ特長がある。戸賀の船頭は大ベテラン、門前は20代前半のヤングマン、そしてココ、加茂(大竹丸)は先代の跡を引き継いだ40代くらい?の息子。また、戸賀はどこに上がりたくて何時に終わるのか聞いてくるが、門前は渡船名簿に記入する。しかも自ら黒鯛釣りもするためアドバイスもしてくれる。ほんで、加茂はこれら2つとは大違いで何も聞いてこないし、記入もない。船に乗って待機していると、ほとんど会話せずに船を出し、適当な島へ降ろしていく。私のような、まだ知識が少ない者はどこの島に上げてもらったのかわからないまま釣りを始める事になる(笑)。今回も「お任せコース」である。

 出港し、私の後ろに座っていた人が「どこに行くんですか?」と質問をしてきた。うむむ、お任せなので答えられない。彼は初めてらしく、私同様、お任せしたのだというが、不安らしい。当然である、私もそうだ(笑)。釣り師というもの、事前に島の状況などを把握して釣りをしたいものだ。船は港を出て、左(南側)へ走った。過去3度はすべて右(北側)で、多少の知識は身に付いたが、南は全くの未体験ゾーンである。続々と船内から人が消え、次に着けた島に容赦なく上がらざるを得ない状況になった。

 船首へ行き、渡る体勢を作った。まもなく目の前に“上がれ”という島が迫ってきて降りた。第一印象は「オオオォ〜、こりゃ、よさそうじゃわい」。足場が平らで、釣りやすそう。景色も良く、実に感じがイイ。島の名前がわからないが取りあえず、準備を始めた。

 少し風がある。だが、陸側から吹いてくるため、辛くはない。今日は暑くなるらしいので、風は無いよりあったほうがイイ。
 コマセを撒くとイヤな光景が目に飛び込んできた。アジだ! バシャバシャと波立てて騒いでいる。だが、これも“想定の範囲内”。エサ取りがうるさくて釣りが出来なかったというのは、釣れなかった時の口実以外の何モノでもない。近ごろは悪い条件の中でも釣る事が大事なのだと言い聞かせるようにしている。厳しい釣りを覚悟して第一投。案の定、アジが苦もなく釣れた(笑)。

 4ヒロから始めてみたが、どうもまだ底は深いらしい。ウキ下を少しずつ下げ、8ヒロ弱まできてようやく底が取れた。作戦変更。ウキを3Bから0.8号へチェンジ。こんなに重いウキは久しぶりだ。ガン玉を段打ちにして、エサを速効で沈めたところ、アイナメがヒットしてきた。エサが底までたどり着いた結果だ。このあと、ベラ、ソイなどが釣れ、極め付けはクロガシラ。まさか、カレイが来るとは…。まもなくして、上層はアジに変わって、ボラが支配し始めた。う〜ん、ボラの下には黒鯛が居る……はずだが、ダメだ。

 しばらくすると、前方に観光船が出現。スピーカーで説明をしている。なるほど、私の後ろには不思議なトンネルが三つあり、よくもまぁ〜こんな姿を自然が作り出したものだと感心せずにはいられない。盛んにカメラのフラッシュが光る。もしかしたら、そのひとコマに私の姿も収められたのではないか?ちょうど竿が曲がっている時もあったが、まさか、それが外道のアジによるもので「●△※÷◆!」と放送禁止用語を吐いているとは思いもしないだろう。景勝地で釣り師が竿を曲げているのは絵的には「まぁまぁ」だろうが、当の本人は大いに不満だ(笑)。恥ずかしいったら、ありゃしない。

 次に大竹丸が現れ「磯替えするか?してもいいよ」と聞いてきた。「う〜ん、いいや。もう少し頑張ってみる」「向こう(小桟橋)ではメジナが釣れてるぞ。狙ってみれば?」「ほほぉ〜ん、なるほど」
 言葉数は少ないが、これらの言葉や顔の表情から、客の身になって考えてくれているのが伝わってきた。前半部分の不親切っぽい書き方をしたが撤回する(笑)。結局は、人によって感じ方はいろいろあるだろうから、私の情報だけで船頭さんを判断するのは誤りである。それもこれも、常連さんになるに従って、船頭の接し方も違ってくるはずだ。

 さて、ほどなくして狙い通りに本命のアタリがやっと来た。外道とは違って、たくましい引きをする。しかし、サイズは予定したモノより小さそうだ。海面に現れた姿を見て、ギャフン。先週の釣り同様、真鯛にだまされた。25センチ弱の赤チャンは「オラで悪かったなぁ〜」とでも言ってるように睨み付ける。胃袋に収めるにはまだ可哀想なので海に戻して上げた。だが、なぜか浮かんだまんまで逃げていかない。もしかしたら浮袋に空気が入り、潜れなくなったか?すると、上空からさっそうと現れたカラスにすくわれて、真鯛はせっかく命拾いしたのもつかの間、再び地獄を見てしまった。合掌!
 このあと、立て続けに同サイズの真鯛が2枚ヒットし、小真鯛の入れ食いに突入かと思われたその時、ようやく本物の黒鯛が食ってきた。真鯛よりはチョット大きい、25センチ。これを転機にサイズアップを期待したが、残り時間ではアジにしかお目にかかれず、終了。

 加茂漁港に戻り、渡船料を支払いに船頭の家に行くと、先代が玄関で座っていた。
 「どんだった?」「ん〜〜、ちょっと悔しい。赤の小さいの3枚と黒1枚」「そぉ〜が、どごさ上がった?」「それがわからない。後ろには三つのトンネルがあった」「あぁ〜、セドナギズンマ(船頭泣き島)だな」「???(帰宅後『秋田の海釣り 空撮本』で確認:この時点では強い秋田弁の発音を頭にインプットするので精いっぱい)」「昼に戻った小桟橋の客はでっけぇ〜黒鯛ば、上げだんだぁ〜」「なぬぅ〜?そうだったのかぁ〜」「黒鯛もそろそろピーク過ぎだな。釣れないごとはないが、これがらは真鯛だな」「なるほど。わかりました。またこれからも青森から来ますから、お願いしますね〜」「んだ、んだ、わがった」

 てな感じのやり取りを終えて、加茂を後にした。家に戻ってから、加茂の南側を調べてみたところ、実に楽しい名称の島があることに小躍りした。チャポチャポ島でしょ、私の上がった船頭泣き島(由来が知りたくなるほど面白いネーミングだ。決して船頭が苦しむような悪い島ではないのだから、益々、興味が沸く)、焼飯島、女泣島、牛地獄島、化猫岩……、なぁ〜んて楽しい島名なんでしょ。

 これだから男鹿はやめられない(笑)

フォトギャラリー
↑男鹿の磯釣りでカレイが釣れた。昨年も一度、経験あるが、ちょっと不思議な気分。 ↑小真鯛がアジに変わって、エサ取りになった。持ち帰りには厳しいサイズ。 ↑やっと釣れた一枚。来年また恩返ししてくれと戻して上げました。
↑前方には大桟橋(だいさんきょう)と大桟橋ハナレ。 ↑分かりやすくするため黄色の線で囲った部分が船頭泣き島。後ろは小桟橋。 ↑小桟橋では、ご覧のようにちょっと怖い立ち位置で釣りをしている釣り師の姿が…。
↑通称「船隠し穴」と言うそうで、これが私の後ろに三つほどあった。どうすればこんな形になるのか、実に不思議。 ↑私の釣り座。船頭は泣くかも知れないが、足腰に負担の掛からない、とっても釣り易いポイントでした。 ↑焼飯島。男鹿にはこのようなポコンと海から顔を出した小島が多いが、ココも凄いなと思う。