観戦予定なのは午後5時から始まるロッテ対西武戦。それが雨で中止となると、丸一日が全く無駄になってしまう。ただ、このゲームの前には東京ドームで午後2時から巨人対ヤクルト戦が行われる。
　そこで考えたのが、まず先に雨の心配がないドームで試合を観て、千葉の状況を観察しつつ、千葉が中止ならそのままドームで観戦続行し、試合決行なら途中でドームを切り上げてQVCマリンに戻るというもの。

　これがベストと判断して、11時にチェックアウトして東京ベイ幕張を目指した。成田ビューホテルから東京ベイ幕張までは高速道路で、たったの40分ほど。

　ホテルの駐車場に車を乗り捨て、海浜幕張駅まで歩く。付近を注意深く見るまでもなく東日本大震災の痕跡があちこちに残っていた。歩道のタイルが波打っていたり、歩道橋の階段に大きな段差が付いていたり、液状化のためロープが張られて立ち入り禁止になっていたりと、無残な姿が残っていた。

　思ったほど海浜幕張駅が目立たない建物で少し戸惑う。更に千葉−水道橋間の乗り換えの知識が全くないので、心配だったが、iPod touchにすべて任せる。関東はどこでもイーモバのアンテナが立つので重宝する。乗り換え2回をどうにか無難にこなし、小雨がポツポツ降る東京ドームに午後1時40分頃、到着。

　ドームでの野球観戦は2004年以来、7年ぶりになる。チケット売り場へ走ったが予定していた“安い指定席”が完売していた。夏休み終盤だということを忘れていた。思わぬ誤算。残るは、外野の立ち見席のみ。ゲームが観られるだけでも良い。迷わず購入。

　立ち見入場口はセンター後方にあり、初めてココから入った。裏口から入るような感覚で、少し後ろめたさの中、長い列に並び、10分ほど牛歩を強いられた。列の左手に鬱蒼とした森が広がる。文京区にもこんなところがあったのか。小石川後楽園だと初めて知った。ドームの敷地面積の1.5倍ほどある大きな庭園。ニューヨークのセントラルパークのようなものか？

　手荷物検査を経て、ようやくチェックイン。密閉されたドームの特長である、ムッとする息苦しさを感じる。外野立ち見がすでに満杯で、内野に誘導される。レフト線の内野立ち見席付近にポジションを取ってみた。最前列は手すりに掴まれるので楽だが、もはや付け入るすき間も無く無理。二列目に棒立ちしたが、さすがに1時間もするとふくらはぎが辛くなってきた。仕方なく、そのポジションを三列目の人に明け渡し、移動してみた。今度は少しホーム寄りに陣取ってみる。

　午後4時、携帯で千葉の今後の天気を調べてみる。雨は降るものの、降水量はあまり多くなさそうだ。スポーツサイトでも「試合中止」の文字が見当たらない。回は6回裏終了、3-0でヤクルトがリード。バレンティンの25号2ランも見られたことだし、安い立ち見席分は堪能したので、出ることにする。水道橋駅は当然の如く、まだ混雑していない。ついさっき来たルートを戻るのは簡単だった。

　（下に続く）

　午後5時半、海浜幕張駅に到着。駅からスタジアムまで急ぎ足で歩くことを覚悟していたら、駅前で直行の100円バスが待機していた。すかさず飛び乗り、ホッとする。

　スタジアムにはわずか数分で到着し、急いで当日のチケットを購入。三塁側内野席のなるべくグラウンド近くをリクエストすると、前からの2列目をゲット。近くて、こりゃイイやと思ったら、誤算があった。目の前にそびえ立つネットが邪魔で、とても観にくい。しかもデジカメのオートフォーカスがネットにピントアワセしてしまい、なかなかマウンド上の投手や、バッターボックスにシャープなピントが合わない。ネットの善し悪し、いろいろあるだろうが、私は邪魔だと思う。

　小雨が降っているため、前日、鹿島で買ったアントラーズのポンチョを出して着てみた。背中にはYELLOW HATと黄色い文字が書かれているが、この際、気にしてられない。先日観たメジャーリーグ中継ではボストンレッドソックスのゲームで、NFLのペイトリオッツのカッパを着て雨中観戦している人がいたっけ。

　試合はFMラジオ（内容は西武向け放送）で流れていた。それをエアーチェックしながらの観戦。小雨は残念だが、いつもの冷たくて強い風が不思議なことに今日は吹いていないとアナは伝えている。なるほど、海がすぐ近くなので、浜風の影響があるとは考えていたが、それほどまでに強い風が吹くとは思っていなかった。ココはサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地AT&Tパークみたいだ。

　椅子に座れたので、ビールを注文。値段600円と聞いて喜ぶ。さっきまでいた東京ドームは800円だった。もちろんビールの量は同じ。ドームでは高いと思ったが2杯注文。ココでは、安いという心理が購買欲に働いたか、つい3杯買ってしまった（笑）。

　そんな、ほろ酔い気分の7回だっただろうか？イニングの合間にセンター後方で花火が突然打ち上がった。腹にズシリと響く重低音にビックリ。数分間、行われた花火を堪能。

　試合はロッテ小野、西武西口が好投する投手戦。最終回、西口に代わって登板した牧田が、同点にされたあと、更に一死満塁から根元にタイムリーを打たれて、ロッテのサヨナラ勝ち。ライト一帯に陣取ったロッテ応援団の迫力ある声援には圧倒された。自分は西武寄りで観戦していたため、負けたのは残念。

　午後9時、試合終了。ホテルまでは徒歩で10分弱。近くて楽なのと、50階建てと日本一の高層ホテルは一目でわかってイイ。
　チェックイン後、ホテル2階にあるローソンで夜の祝杯を上げるための商品を購入してから29階の自室に入った（この際、応援していた西武が負けたとしても気にしない）。