あすぱむ徒然草

日 時
08/20
 我が青春の証
 まさか出てくるとは思わなかった台本。発見した瞬間、頭の中は10代最後の時にタイムトリップしました。
 事の成り行きは、友人から「ドラマの小道具係のバイトに欠員が出来た。良かったら、お前、やってみないか?」と言われて、断る理由もなく当然のごとく二つ返事で引き受けたアルバイトでした。確か1977年の冬。

 このドラマ、もしかしたら御存知の方もいるかも知れません、タイトルは「祭りばやしが聞こえる」って言います。出演者はショーケンこと萩原健一、いしだあゆみ、山崎努、中原ひとみ、室田日出男、清川虹子などといった淙々たるメンバー。
 ストーリーは競輪選手のショーケンと恋人いしだあゆみの恋愛ドラマとでも申しましょうか?前年に「前略おふくろ様」でブレイクしたショーケンの第二弾ドラマみたいな感じだったような気がします。そういえば、この後、二人は結婚しましたよね?ほんでショーケンはヤクにも手を出してしまって、いしだあゆみの涙の会見なんか行われて、随分ワイドショーも賑やかに追っかけた時期もありましたね。

 話しは戻ってバイトの方はと言うと、朝8時集合、終わるのは撮影スケジュールが終了した時という、労基法違反ギリギリ(超えてるかも)まさしくドラマ制作の現場。小道具係の仕事は、その名の通り、小道具(例えば湯呑み茶わんや箸など)を設置したり、あるいは片付けたり、いわゆる小間使い。あと、みすぼらしい部屋に見せるため壁のあちこちにヒビやシミを作ったりもしましたヨ。撮影所の中は一切の外光が入らず、ライトが無ければ真っ暗な状態。よって、空気がカビ臭く、決して健康的とはいえませんでした。畳なども湿っぽかったのが印象的です。また、このドラマの中では最もスポットライトを浴びた自転車が無造作に撮影所の脇に置かれてたのを覚えてます。

 バイト料は1日3000円(交通費込み:確か当時、往復で500円ほど掛かっていたような…)。もっと楽して稼げるモノが他にもありましたから、ハッキリ言って割が合わないのですが「バイト料+貴重な体験」は何事にも代えがたく、とても満足でした。

 お昼の休憩時、近所の蕎麦屋さんで出演者達と一緒に(特に清川虹子さんの印象が強い)ザルソバをすすった事が忘れられません。
 ドラマは終盤を迎え、収録の季節も冬真っ只中とあって、朝の冷え込みが厳しい時もありましたね。かじかむ手をこすって、しきりに足踏みした事が思い出されます。

 さて、撮影秘話ってほどのモンじゃないんですが、ショーケンといしだあゆみのキスシーンに出会えたんですよ。2〜3回のリハーサルが済んで、いざ本番。場内に“ブッブッー”とブザーが鳴り響くと同時にシーンとなって、スタッフは息を潜めるわけですが、しばらくの沈黙の後、ブチュという音がこだましました。「ハァ〜イ、オッケー」が一回で出て、無事、終了。出来ることならば、この眼で確認したかった私ですが、あいにく私のポジションがカメラの真正面でして、なんとか障子の隙間から覗くことが出来ないものかと頑張りましたが、迷惑がかかってはいけないと自粛し、チュ!の音しか聞けなかったのが心残りです(笑)。
↑とっても貴重な二品。まさか残っているとは思ってもいませんでした。いやぁ〜、懐かしいダス。
↑あ、出演者の役名です。右写真と対比させてください。説明の必要もないでしょうが、沖直次郎がショーケンです。
↑なかなか、凄い顔触れでしょ。
 
↑コレって「なんでも鑑定団」のお宝の部類に入るのかな?と思ったら、神田の古本屋などでは意外に良く売られているのだそうですね。出演者のサインがあればなぁ〜。
↑このシーンがショーケンといしだあゆみのキスシーンのシナリオ。なんとまぁ、簡潔なこと。
↑良く見てください。促音が大文字です。
“つけなくつちややつてける…”だなんて読みにくいと思いませんか?まだワープロも無かった時代ですからしょうがない。

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