2004年の黒鯛釣果(7月26日)

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 納 竿 同行者 釣 果
7/26
曇り 長潮 10:22 4:00 6:00頃 13:00 0 1
 乗っ込み遠征を終了し、自宅から約1時間ほどで到着できる夏泊・油目崎で本日は釣りをすることになった。今までは午前0時半に家を出発し、4時には釣り場に立っていた。今回は3時に起き、駐車場到着が午前4時。いつもであれば、さぁ〜船に乗って…となるところだが、釣り場まで届けてくれる船は、いくら待っても来ない。そう、今日は磯を歩かなければならない。つまり地磯のポイントなのだ。

 久しく歩いていない。その辺が少し心配だったが、荷物を通常の半分にすることで解決すると思った。アキアミブロックは3キロ+1キロで4キロ。配合はチヌパワーV10白チヌ(3500g)とムギコーン(500g)、合わせて4キロ。他の道具が5キロほどとして合計13キロほどか?なお、ロッドケースも無駄に重量をかせぐので、車内に置き、荷物は背負子ひとつにした。両手は全くフリーで、安全にも十分配慮したスタイルだと思う。なお、背負子にロッドと玉網を取り付けたのだが、気をつけなければならないのは、背負子のポケットの左右どちら側にセットするかということ。崖伝いに歩く事を考慮して、崖と反対側に取り付けなければならない。崖側に取り付け、ぶつかったりしようもんなら、つっかえ棒の役目をして、海にドボンしてしまうからである。

 今日は風が無く、ムシ暑かった。首にタオルを巻いて、駐車場を出発。夏泊で釣りをするのは、いつだったかなぁ〜?と考えながら、テクテク歩いたのだが、まもなくして、そんな余裕が無くなってしまった。とにかく暑い!!汗が洪水の濁流のように出る。当初、普段の運動不足を補うには最高の歩きだと思ったが、とんでもない事をしてしまったものだと後悔していた(笑)。ゴロタ石の海岸では、バランスを悪く踏むと、石がグラリと動き、足をくじきそうだ。今年は既に足にケガをしてるので、また病院の門をくぐりたくはない。必死である。

 続いて、崖ポイント。御親切にも太いロープが垂れ下がり、それをつかんで渡れるようになっているが、脇には切れて使えなくなった以前のロープがほうり投げられていた(笑)。果たして、今、つかんでいるロープを信用していいのか?と独り言。切れたロープがあるということは、かつてそれにつかまって海に落ちた人が最低一人いるってわけ?うむむ、宝くじには縁がないワタシ。こんなところでアタリたくない。とまぁ、とってもシリアスな状況を書いて不安を煽ったが、実はロープを使わなくても渡ろうと思えばどうにか可能。でも、そこにロープがあれば、つかまりたくなるのが人情というもの(笑)。切れるアクシデントがなく無事にクリア。TVゲーム感覚の釣りも滅多に無い。

 最後は蛇の道。聞かなければ良かったと後悔・・・今日は後悔のしっぱなしだ。釣友に「薮コースで、この前、ヘビを見た」と言われ、頭から離れなくなった。ヘビは嫌いだ。昔、今はもう亡くなった義母にくっついて、山菜取りに山へ入った事があるのだが、手を伸ばしたワラビのほんの50〜60センチのところにヘビがトグロを巻いていた。山菜カゴも何も投げ捨てて、カール・ルイスより速く逃げたものだった。さて、話を元に戻すとして、薮コースの手前に来た。少しの間、立ち尽くして、状況観察。ココは平坦なコースではなくて、登りになっている。つまり両手で岩をつかんで、這い上がらなければならない。ということは、左右の薮に居るヘビとは同じ目線になる場合もあるということ。暑さによる以外の汗が出た。

 苦労の末、現場に到着。しばらく休憩し、コークを一気飲みして、いよいよ準備開始。さぁ〜、釣るぞぉ〜〜〜。

(下に続く)

フォトギャラリー
↑似てますが、ハエじゃありません、ブヨ。要注意。サイズ、わずか5ミリほどですが、痒みは強烈です。 ↑午前7時、キャリア初の夏泊黒鯛ゲット(37センチ)。嬉しい一枚です。忘れられない黒鯛になりそう。 ↑ウキ下2.5ヒロで、ウキがスパッ!と入りました。これほど気持ち良く消えたのは経験がない。非常にわかりやすいアタリだった。
↑全般に磯は低く、荷物は若干高目の位置に置き、釣り座へは牛若丸のようにピョンと跳ねて(実際は普通に歩いてもイイ)渡ります。 ↑久しぶりに背負子を使用。竿&玉網は左右のポケットに、救命胴衣は上部にくくり付けるなど、コンパクトにするのが、地磯釣行の基本。無駄なモノは持っていかない。 ↑下北の材木岩みたいに岩が四角くてゴツゴツしていました。
↑赤丸印が今回の釣り座。写真は帰り道に撮影したものです。コレ以降、右方向の写真はすべて復路に撮影しました。往路は逆です。 ↑ゴロタ石がまた歩きにくい。捻挫に気を付ける事。人の気配に驚いた、たくさんの船虫がまるで映画「トトロ」の真っ黒クロスケのように一斉に四方へ散らばる。 ↑蛇の道(赤線:笑)。この薮が気持ち悪いんですよ。這いつくばって上がるため、ヘビと目線が同じになる可能性も。毒ヘビは居ないと言うものの…。
↑ターザン・ポイント。万が一、落ちたとしてもたいして海の深さはなさそうですが、出来れば落ちたくない。ロープは信用するしかない。 ↑赤丸印が左写真のターザン・ポイント(私の命名ですので、世間一般には通用しませんので悪しからず)。 ↑ゴール間近。汗を拭き拭き、もうひと頑張りだと自分に言い聞かせる。
↑実に不思議な岩である。想像力を逞しくすると、恐竜の足先に見える。このようにして指のような尖った岩が数本、海に向かって伸びている。岩は意外に軟らかかった。 ↑老木が朽ちて、上から転がってきた模様。磯釣りをしていると、自然が作りだした不思議な景色を目にすることが非常に多い。  
(上から続く)
 夏泊ではまだ釣果ゼロ。今日は是非、釣って帰りたいと願いながら、撒き餌を作った。もちろん、ゲン担ぎのカツサンドは今日も用意してきた(笑)。

 半冷凍のオキアミブロックをバラかして、作業をしていると、そばにおいたヘラに虫が沢山くっついているのに気がついた。ハエのようだが、違う。ハエよりも怖いブヨだ。コイツに刺されると、蚊なんて比べ物にならないほど大きく腫れて、強烈な痒みを経験する。まだ釣りを初めてまもない頃、Tシャツ+短パンで磯釣りをしてエライ目に遭った。全身85箇所をやられ、一週間眠れず苦しんだ。病院にも行かず、自力で対処したが、今であれば、即、お世話になる。医学の力で少しでも苦痛が和らぐなら、迷わず、門を叩く。
 そんな経験が、黒鯛釣りのテクニック同様、上達し(笑)、虫除けグッズには人一倍熱心になった。この暑さゆえ、長そでのウエアを着て釣りするつもりは毛頭なかったので、むき出しの両腕にはジェル仕様の薬を、顔面にはウェットティッシュ式の薬を念入りに塗り、携帯蚊取り線香を釣り座にセットした。とはいえ、完ぺきを求めるのは酷で数箇所は刺されるだろうと覚悟していたのだが、終わってみれば、パーフェクトに封じた。驚くべき効果である。時々、ブヨが体に触れ、やられたぁ〜と思ったが、無事だった。一度塗りにとどまらず、3〜4度、塗ったのが効果的だったのか?

 しかし、想定外の左足アキレス腱は薬を塗っていなかったため2箇所やられた。今日は短ブーツでの釣り。靴下を履かなかった足首が、いつのまにかズボンの裾が上がり、無防備になっていたらしい。かゆい、かゆい。ちなみにブヨは日本海側にのみ生息して、太平洋側には居ないのだとか。いいですね、太平洋は。(注:汗が目に入った時、虫除けスプレーした手の甲で拭いたところ、ジガジガと染みった。十分、気をつけましょう)

 今回は前置きが長くて、釣果の話が全然出てこないが、写真でもお分かりの通り、午前7時過ぎ、待望の本命をゲットした。
 エサ取りは居るのだが、付け餌が残ってくるので、気配を感じていた。ゆっくりとウキが左に流れ、少しだけモゾモゾした後にスパッ!と海底に消えた。視覚的にも気持ち良く、無くなったのでアイナメだろうと思ったら、グイグイくる。丁寧に糸を巻いて、現れた魚体を見て、思わず小躍りしてしまった。夏泊初の黒鯛なのだから。よくベテランのメジャーリーガーのデータで「この選手は何球場でホームランを打っており、残すところココだけだ」と紹介される時がある。まさに、私も夏泊をクリアし、胸の支えが取れた気分になった。
 サイズ37センチの立派なオス黒鯛だった。今回も、この一枚のみだったら、リリースするつもりだった。将来、性転換してメスになって沢山の子孫を残して欲しかった。ところが、ストリンガーに繋がれた黒鯛が、時折来る摩訶不思議な波によって、いつのまにか陸に打ち上げられていた。すぐに気がつかなかったのがダメージとなり、息絶えてしまっていた。よって、持ち帰りとなった。

 釣果は一枚のみ。付近には釣り人が来るわけでもなく、貸し切りのまま、午後1時に納竿。渡船と違い、自分のペースで始め、そして終われるのがメリットだ。ゆっくり道具を片付け、洗って、しまって、一休みした。時々、空からポツポツ落ちてくる雨を気にしながら、背負子を担いだ時、うめき声が出た。「うっわぁ〜〜、重ぇ〜〜なぁ〜〜」
 8キロは軽くなったはずなのに実感できない。沖を行く漁船に手を振りたくなった(笑)。更に、歩いて少しすると右足首が痛い。素足で靴を履いたのが悪かったか、靴擦れを起こしたらしい。帰路はたっぷり時間をかけて駐車場へ戻った。汗がもう枯れるというほど出たのは言うまでもない。この反動なのか、家に戻ってからは缶ビールと缶酎ハイのグビグビ飲みになった。

 今回の釣行をもって、乗っ込み黒鯛釣行にピリオドを打ちたい。秋まで磯竿は封印しようと思う。あぁ〜、ちかれたビ〜。