黒鯛の秘密

黒鯛の釣期はいつ?

黒鯛は大体、4月末頃から翌年1月中旬までの期間、釣れるが、ベスト・シーズンと言えるのは1年の中で2度。

1度目は春の乗っ込み期
冬の間、沖合いの深場で春が来るのをジッと待った黒鯛が、水温の上昇と共に産卵のため浅場の岸近くに寄ってくる5月半ばから7月いっぱい。
青森県日本海側の南から始まり、5月のGW辺りに「黒鯛が上がった」という情報が聞こえると同時に黒鯛釣り師の身辺が忙しくなる。日を増すごとにポイントは北上し、6月下旬には下北付近、7月中旬には陸奥湾内に入り込むため、黒鯛に合わせて我々も北上する。この時期、大きいサイズが出る確率が非常に高く、自己記録更新を目論んだ釣り師達は、陽が上がる何時間も前から移動し、漁港や磯場では大にぎわいしている。

2度目は秋から冬にかけての寒クロ(カンクロ)期
厳しい冬を目前にして、無事に越冬するため体力を付けようと食欲が増す時期。10月下旬から始まって、年を越した1月中旬で終わる。乗っ込みの黒鯛に比べて、身が引き締まっておいしいと言う寒クロばかりを狙うという人も少なくない。
この時期、裏竜飛はクリスマスから成人の日までの期間、良く人が出る。
大晦日の日中、あるいは新年の朝(残念ながら海から出る初日の出は望めない。なぜならば、陽が出る東側を向いて竿を出せないから。海岸線に沈む夕陽はいくらでも見られる)を磯場で迎える人もいるほど人気が高い。家族とともにのんびりと家で年越しのTVでも見ていればいいものを、磯場で越年する妻帯者も居るというんだから、呆れてモノが言えない(笑:ちなみにワタシではナイ)。

これ以外にも真夏の夜釣りなどもあるが、さまざまな危険が伴うので、あまり積極的になれない。まず第一に足下が良く見えず、思いがけない事故が起こりやすいし、そして何よりも♪ヒュー・ドロドロドロドロ〜のオバケの季節ゆえ、集中力が散漫になりやすいから、が、その理由。以前、暗闇でエサを付けて、さぁ〜投入しようかとして腰を抜かさんばかりに驚いたことがあった。なんのことはない、ウキに付けていた緑色のケミホタルが火の玉のように3〜4m先でユラユラァ〜と揺れていただけだったが怖かった。

 
なぜ冬の厳しい青森で釣れるのか?

答えは簡単、暖流が流れているから。ただし、これも本県の日本海側だけの話しになる。黒鯛は暖流の魚であり、南方面から温かい海水をドドォ〜と押し上げてくれる対馬暖流が流れる日本海側では釣れるが、寒流の流れる太平洋側では全く釣れない。
意外かも知れないが、厳冬期の海水は温かい。外気よりも海水温のほうが高く、手先がビリビリ病んだ時、海水に手を入れてホッとした経験がある。また、青森市内が豪雪で悩まされている時、日本海側の市町村では思いの外、道路や屋根に積雪がない。これも、やっぱ暖流のおかげなのだという。


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