第1回つがりんピック2004(9月20日)

 7月に一度行われた“乗っ込み真鯛決戦”が、貧果に終わり、そのリベンジのチャンスを伺っていた伊達藩黒鯛倶楽部メンバーがついにやってきた。今回は参加選手が10名になり、二隻を繰り出してのビッグ大会。本大会に先だって、前日19日は、伊達メンバー限定による“伊達予選”が超悪天候の中、強行された。突き刺さる槍のような雨、魚さえも怯えるような雷、体感G100ほどのうねり等々、逃げ出そうにも、海上に浮かぶ船ゆえ、そうゆ〜わけにも行かず、ほぼ全員が地獄の船酔いという貴重な体験をした。ところが、タダでは転ばぬ伊達藩!! 初参加の「小松の熊さん」が50オーバーを釣ったのを最高に、4枚の釣果を記録。幸先良いスタートを切ったと言える。

 夜は竜飛シーサイドパーク(三厩村)のコテージにて前夜祭を開催(私はこのイベントから参加)。普段、夜の宴会は非常にタフな大騒ぎをするメンバー達だが、さすがに悪天候中の釣りが体を蝕んでいたか、お疲れモードの様子。とはいえ、主催者を代表して津軽藩釣り倶楽部藩主のリュウちゃんから、出場選手達を馬に見立てた、仮想ギャンブル表が発表され(下記に掲載。ひと口、200ASP$“アスパムダラー”をbetし、当たると豪華な賞品が!!)それぞれの発奮材料となった。

(下へ続く)

伊達藩限定予選、及び、前夜祭のフォトギャラリー
↑七人の伊達侍による朝まづめの肩慣らし釣行は悪天候の中、行われたが、帰港の頃は青空も覗く良い天気。(写真はTOMEさん提供) ↑仙台にいると普段は目にすることのない海に沈む夕日をバックに、満面の笑みを浮かべる小松の熊さん。(写真はTOMEさん提供) ↑小松さんの真鯛を酒の肴に、夜6時半、リュウ津軽藩主の乾杯で、宴は始まった。(写真はTOMEさん提供)

(写真はTOMEさん提供)
第1回つがりんピック2004 出走馬表(この表のすべてはリュウちゃんが作成しました)
枠番 馬券   出走馬名 コメント 本紙予想
マサヒャロダイオウ 嵐を呼ぶ邪神。神なるが故に奇跡をも呼ぶか!結構うまいぞ!自己ベスト68cm。  
アスパムソックス 今期絶好調男!前回のバラシが好調の波にどう影響するか?自己ベスト70cm。
トシナシリョウイチ 黒鯛釣りわずか3年にして年無し(50センチオーバー)を上げた。そのツキが今回生かされるか?初参加。  
トメタイコウボウ 前回(7月)のプレ大会では一番悔しい思いをした。雪辱なるかっ!釣果今後が楽しみ。 ×
ミキノザウルス 大会中一番のセンスか?スランプも脱出し海峡にガハハ笑いが轟くか!
自己ベスト70cm。
パパラッチコマツ 前打ちで鍛えた腕前は侮れない。初参加ながら本命の仲間入りか?
ラッキーケンケン 何かやってくれそう。片腕吊っての粘りと根性は健在!自己ベスト ヒラマサ2kg。  
シブソクラテス 勉強熱心に神は微笑むか!寝不足で蓄えたイメトレを武器に70超なるか?釣果今後が楽しみ。
プロフェッサーキャス 理論武装は完璧か?前回(7月)の底取り失敗を教訓に重ブラーで乱発を目論む。釣果今後が楽しみ。  
10 リュウナンチャッテ スランプ脱出も今ひとつ自信無しか?独自のなんちゃって理論で80超目指す。自己ベスト77cm。 ×

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 納 竿 同行者 釣 果
9/20
平舘沖
晴れ 小潮 6:36 12:24 4:30頃 10:30頃 9 0
 20日は前日とうって変わって、好天となった。午前3時半、コテージを出発し、約40分ほど先の平舘村石崎漁港を目指す。漁港では、いつもお世話になっている須藤船長の他に、岡崎船長がいた。予め、決めておいた船割りに従って、二つのグループに分散。
 須藤船にはリュウ、ミキ、トメ、シブ、コマツの5名、岡崎船にはケン、リョウイチ、キャス、あすぱむの4名が乗船。まさひゃろ氏は無念の居残り。

 午前5時前、出港。須藤船が暗闇の中、ぐんぐん進み、いつのまにか見失う。我が岡崎船は先日の台風18号で1基のエンジンにトラブルが起こり、残る1基での片肺航海となり、スピードを出せず、水深26mの浅場をポイントに決めて釣行スタート。潮の流れは緩い。底取りも難無く行なえ、しかも船の揺れが全く気にならないことから、各選手ともヤル気に火が付いた。
 夜が明けて、東側の山並みがオレンジに輝いた頃、本日は操船に集中し、釣る予定ではなかった岡崎船長に立て続けに2枚の30センチ前後の真鯛が掛かった。一同から「オォ〜〜、時合い到来かぁ〜?」と歓声が上がる。
 ライトの必要もなくなった午前6時10分。馬名トシナシリョウイチさんの竿がギュゥ〜ンとしなった。初マダイの手応えに、やはり顔は真剣だ。ドラグをきつくしていたか、ジージー音を鳴らすことなく、多少、強引なやり取りの末、無事、ネットインした本命は46.5センチのサイズ。顔が嬉しさでニヤケている。声のボルテージも先ほどより格段上がった。これに触発され、選手達の目の色が変わった。このあと6時40分までの30分間で、プロフェッサーキャスさん、トシナシリョウイチさん、ラッキーケンケンさんらにヒット。時合い到来もそうだが、船長から借用のテンテン仕掛けに反応したらしい(テンテン使用はキャスさん&ケンケンさん)。

 さて、ウチの船長がおかしい。移動の合図が出て、仕掛けを上げ、準備をしていたら、海に向かって「ゲッ!」とコマセを捲いた。ほへ?何?いまの?船酔い?まさか?  でも具合が悪そうだ。ベテラン船長でも船酔いすることはあるかもしんないなぁ〜と思いつつ、気になっているとリョウイチさんが「悪い弁当でも食べたらしく、食あたりしたらしい」という。なるへそ。可哀想だが、船首で寝てて貰おう。

 まもなくして須藤船が戻ってきて、互いの釣果を確認しあうと、なぁ〜んと、向こうでは2〜3枚と芳しくないという答え。我が船は既に9枚。大きく水を開けた格好で気分は悪くない。だが、もう少し大きい60オーバーのサイズが欲しいところ。悲しいことに、船中、まだ釣果が無いのは、この私だけ。しかも、前夜、馬名「アスパムソックス」に異議が唱えられ「スッポヌケアスパム」にすべきだと提案が…。
 結局、その場は60オーバーを釣れば、異議を取り下げるということで収まったが、このままだと不名誉な馬名に変えられそうだ!必死、必死!

 と、そんな時、近くで仲良く釣っていた須藤船の動きが慌ただしくなった。パパラッチコマツさんの竿が魅力的な弧を描いているではないか。サイズはかなりありそうだ。前日の伊達予選に引き続き、今日も主役なのか?大きい真鯛に違いない、きっと。
 そのうちに彼は船首に移動し、船のエンジンも始動された。んんん?どこかで見た光景だぞぉ〜?12日の釣りと似ている。

 我が船とは次第に距離が離れてしまい、しばらく忘れかけていたが、遠目で見ると、コマツさんが人の集まっている船首とは逆のトモ(船尾)でペットボトルの中身をグビグビ飲み干していた。バラしたか?と思いきや、竿を握っていたのはTOMEさんだった。あまりの強い引きに戦闘意欲を失ったコマツさんが、願い出たモノだという。そのTOMEさんもギブアップしたか、今度はリュウちゃんへ、はたまた、SIBUさんへと渡り、怪物の手応えをそれぞれが体感する美しい竿のバトンリレーが展開された。
 しかし、ついに終わりの時がやってきた。約30分ほどの格闘の末、津軽海峡一帯に響き渡る「アッ!」という声とともに、竿のテンションは崩れた。「リーダー部分(約5〜6mのリーダーか?)までは上がってきたんだけど、また潜られて姿は見られなかった」(TOMEさん談)。しかも前日の釣りでも、同様の事態が起こっており、今後、津軽海峡モンスターは船釣り師達の恐怖の的になりそうだ。
 ココだけの話だが、このモンスター、実はまさひろ氏ではないか?と一部の間では、まことしやかに噂されている。一度目の遭遇時は、自らのアリバイを作るため、我々をうまく利用したようだ。ただいま、いろいろな手を尽くして、検分中であり、DNA鑑定結果が出れば、まもなく判明すると思われるので、注目していただきたい。

(下に続く)

本大会 フォトギャラリー
↑「アッ、来たぁ〜!」と、ひと言発し、真剣かつ強引にリールを巻くリョウイチさん。 ↑みんなの視線が集まる中、良型の本命が現れ、一気に活気づいた。 ↑「やったぜ!」という自信に溢れたイイ顔です。良く見ると真鯛の口には指が入っているように見えます。危険なのでヤメたほうがイイですね〜。
↑テンテン仕掛けに興味を示したKaSさん。早速、ソレで本命を手にはしたものの、サイズ的には決して満足していない。 ↑一部の伊達メンバーから「ん?何?あの仕掛け?ルール違反だ」というクレームが付きそうな気配(笑)。 ↑我々の船、岡崎船です。ベタ凪で流れもさほど強くなかった。(写真はSIBUさん提供)
↑モンスターと格闘中のコマツさん。かなり体力を消耗したらしく、バテバテになった模様。 ↑須藤船のTOMEさんが撮影したコマツさんの勇姿。白い歯が見え、船釣りを堪能している様子が良く伺える。(写真はSIBUさん提供) ↑代わって、TOMEさんが化け物退治に馳せ参ずる。コマツさんは後ろでジュースをグビグビ飲み干していた。
↑リュウちゃんが格闘した後、SIBUさんに渡して、それぞれが怪物の手応えを体感した。今後は伊達藩で魔物伝説が流行るかも? ↑終了の合図にモノ足りないという面持ちの“こちら”。もちろん、私も含まれてます。 ↑一方、やることはすべてやったと満足し、夢の世界に入っているリョウイチさん。
↑正午前、帰港。皆さま、お疲れ様でした。お天気も海況も良く、釣り日和でしたが、釣果が、ねぇ〜〜〜。KENさんのポーズは「このくらいのサイズを釣るはずだったぁ〜」ですかね?次回があります、次回。
↑準優勝の検量模様。31.5対31.2センチと、わずか3ミリの差が明暗を分けた(笑)。 ↑体調不良にもめげず、お付き合いいただた岡崎船長(左)。船長さんが船酔いなわけないよね(笑)。 ↑優勝と馬券大当たりのリョウイチさん。津軽の海はさぞ美しく、魅力的なモノとして記憶されたことでしょう。羨ましい〜。
 (上から続く)

 怪物の後は、ベラの猛攻。メンバーは良型のベラの入れ食い。「次第にサイズアップだぞ〜!」と喜ぶKaSさん(笑)。底では、あっという間にベラのえじきである。エサが無くなった結果、むき出しとなった針は地球を釣るようになり、ブラーのロストも頻発。たまらず、宙層まで仕掛けを上げてみるが、それにも食いつくようになってきて、釣りにならなくなってきた。

 前方の須藤船を見ると、パラシュートを上げている。うむむ、そろそろ終了か。最後の一投でドラマチックなデカ真鯛が来ないかぁ〜!と、気合い投入をしたが、終わりも根掛かり(悲)。リーダーを結んでいる時間ももはやなく、そのまま納竿となった。

 港では検量が待っていたが、40オーバーはリョウイチさんの一匹しかないのは周知の事実。ぶっち切りでリョウイチさんの優勝決定。熾烈なのは2位争いだった。コマツさんとKENさんの真鯛は双子のように、ほぼ同じ。厳正なる検量の結果、31.5cm(コマツさん)と31.2cm(KENさん)が示され、わずか3ミリの差でコマツさんが準優勝に決定。これにより、アタリ馬券は「2−4」となり、その行方が注目された。
 ペラペラと資料をめくって、出た答えは・・・「たった一人のみ購入・・・♪ダラダラダラダラ・・チャン! リョウイチさん

 WaOHHHHH〜!なんてハッピーな人なんだぁ〜。優勝とアタリ馬券のダブル受賞

 このようにして正午前、第1回つがりんピックは次回大会の早期実現?を切望する声も聞かれる中、終了し、現地にて解散となった。はるばる遠征の方、全員にもれなく釣れることを祈ったにも関わらず、涙をのんだ選手もおり、非常に残念であるが、元祖オリンピックは次回まで4年は待たなければならない。つがりんピックは、そんなにも待つ必要はないので、是非、次回大会にも参加して感激の涙に変えて欲しいと願うTTC(津軽・釣りんピック・委員会)であった。

 ところで私の馬名はどうなるのだろうか?

フォトギャラリー
↑釣果の満足度は別として、楽しいひとときでした。伊達メンバーの皆さま、また遊びに来てケロ〜〜。四度目の正直って言葉もありますから・・・ん?ない?是非、今度も挑戦してくださいね。

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