2012年の真鯛釣果

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 終 了 同乗者 釣 果
10/22
源氏ケ浦沖
晴れ 小潮 8:21 14:15 8:30 16:00 2 2
 待ちに待った作業船での釣り。悪天候と高水温による作業不可で、これまで3回、お流れになっていた。ほぼ諦めていたが、どうにも諦め切れず、懲りもせずにまた予約して、この日を待った。
 船長には「時化男なんだから、いい加減、諦めたら」と言われる始末。そこまで言わないでぇ〜、悔しい〜(笑)。

 天気予報は「海上で西風が強く」と良くなかった。
 時化男の面目躍如かと「中止」覚悟で出船確認の電話をすると「出るよぉ〜」の返事。慌てて、エサと氷の買い出しに走り、一気にアドレナリンが噴出。
 というのも、数日前に某作業船に乗ったビ○クさんから「35枚釣ってきたよ。エビもイソメも足りなくなって、しまいにはイソメの一本掛けで節約釣法取ったけど、それでも食ってきた、ニョホホ」と喜びの電話を貰っていたのだ。更に、ビ○クさん秘伝の仕掛け(スピンソニックもテンヤも使わない)を伝授していただき、その準備は100%整っていた。つまり、コレだと35枚は約束されたも同然(笑)。

 35の数にあまりにも興奮しすぎてしまった。夜9時に寝床に入ったが全く眠れず、午前1時の時計を目にした時点で、あ、もう2時間しか眠れないとプレッシャーが掛かったら、いっそう眠れなくなり、結局は一睡も出来ず、布団から排出。コンビニで「メガシャキ」を飲み干し、車を走らせた。野辺地を過ぎた辺りから、道端の木々がオバケのように揺れ、一抹の不安が・・・出来るのかな?釣り?

 午前5時前、源氏ケ浦港にトウチャコ。まだ暗い車の外に出た。風がビュービュー吹いている。まずい、こりゃ。絶対、無理だわ。
 本日の同乗者、鯛夢さんと、ISOさんもトウチャコ。5時半の出船は無理だと一致する。
 中山船長もトウチャコ。この風は次第に弱まるはずだから、それまで出船を見合わせるベシ、となる。

 さぁ〜、仮眠するか!と思いきや、先ほど飲んだメガシャキがちょうど効いて、眠れるはずもない、とほほ。

 午前8時半。風はまだあるが、待望の出船決定。港を出ると、強い波に見舞われ、体を激しく上下に揺さぶられ、必死に掴まった。

 ポイント到着。はやる心を抑えて、システムを準備しようとした、その時、横波が自分を海へ招こうとした。すぐそばに居た大柄なISOさんの胸に抱かれ、落ちるのを助けられた(笑)。ありがと〜、ISOさん。

 船首右舷側で実釣開始。潮の流れを確認するため、テンヤ3号を落としてみた。これで底を取れるようであればビック仕掛けに切り替えるという寸法だ。オッ!と、伏せ字の「○」がいつの間にか取れてしまった。
 ところが、ラインは船底を通って左舷側にまっしぐらで、かなり潮が速いことが判明し、頭を抱えてしまった。作戦変更せざるを得ない。かと言って、スペシャルな仕掛けを他に持っているわけもなく、単純にテンヤを10号に重くした。すると、コツコツと早速のアタリが・・・。ヒットはしないが、エビは興味の対象らしく、希望を持たせてくれた。

 船尾ではホタテ貝の洗浄作業が行われている。のしを引き上げて、洗浄機に掛けると、貝やロープに付着した様々なゴミや海の浮遊物が取り除かれ、海中へばらまかれていく。それに真鯛があちこちから寄ってきて、爆釣するというのが、この作業船釣りの魅力である。前記のビックさんのみならず、信じられない話が数多くあるため、一人一回のみの作業船釣りに、我々は人生の大博打をするのである。

 (下に続く)


フォトギャラリー
68センチは手応え充分。43センチも良くファイトしてくれました
秋の鯛、いわゆるモミジ真鯛は、引きも味も格別!

 (上から続く)

 洗浄用の海水を汲み上げるポンプが我々の近くに置かれ、その轟音で会話は困難である。
 鯛夢さんは、心得たもので、耳栓を用意して釣りに集中していた。氏の仕掛けを横目で見ると、これまた不思議なモノを使っていた。カレイ釣りに使うようなテンビン仕掛けである。それにシモリ浮きのようなモノが付いており、初めて見るソレに、今季の最多真鯛ゲッター(まだ未発表なので、予想デス)は、やることがさすがだ!と恐れ入る。まもなくして60台の真鯛を釣り上げ、益々、その仕掛けが気になった。

 一方、ISOさんは、ポンプから出る排気ガスと轟音にギブアップ気味で、船尾へ移動した。竿を時々曲げて、小鯛ではあるが着々と数を延ばしていた。欲張りなISOさんは(笑;失礼)ロッドホルダーをセットして、1本を置き竿に。
 ふと何気なく見たら、竿先がゴンゴンと盛んにお辞儀しているではないか。ISOさんの姿が見えず「来てるよぉ〜」と叫んだ。食事中の手を止めて、駆け寄り、無難にゲット。

 お二方の忙しい釣りとは別に自分は至って静かな釣りを満喫していた(笑:負け惜しみでR←この「R」はTOMEさんの釣行記で良く使われていて私のお気に入りなので、盗用・・・いや、拝借しました)。
 作業船は、左舷側で作業を行なうのだが、重心がそちらに掛かると横倒しになるらしく、右舷側に重石替わりに海水を入れた水槽が置かれている。これ、幸いと、釣れた小鯛を、その水槽に放流してしばらく観察してみた。釣った魚が全長1mほどの大きな水槽で泳ぐ姿を見るのは、なかなか楽しい。
 元気が良ければ、終了時にリリース、ダメなら可哀相だが持ち帰って塩焼きになる。幸い、今回釣れた小鯛達は、すべてリリースされた。なお、リリースの際、タモ網で掬ったのだが、金魚すくいならぬ、鯛すくいを満喫。結構、すばしっこかったデス(笑)。

 エビは減るが、真鯛が増えない状況に頭をひねりつつ、少しずつ、時計の針が気になりだしてきた。
 午後6時から、ある大事な用が控えており、それに間に合わせるには、そろそろ終了しないと遅れそうである。とはいえ、今日はホタテの洗浄作業という仕事船に乗せて貰っているので、自分の都合で帰りたいなど言えるわけもなく、心臓の鼓動をトクトクさせながら、心は鯛よりも用事のほうに向いた状況で釣りをしていた。

 そんな、心ココにあらずという中、神様のいたずらって、こんなもんかい?と思わせる出来事が起こった。
 久しく忘れていた、でかい魚のパワーがグイグイ伝わってきた。逃したくない一心で、これでもかというほど、合わせを数度入れて、ガッチリとフッキングさせた。ラインシステムは0.8号のPEに5号のフロロ・リーダー。バレる不安が無かったので、引きを堪能しながら余裕を持って、ハンドルを巻くことが出来た。作業船での釣りの場合、掛かった魚は難を逃れようと、ノシの方向に逃げて生き延びる術を知っているというのが定説になっており、そうさせないために太いリーダーを使って、強引に寄せなければならない。太いと食い気が落ちるとご心配の向きもあるかと思う。が、ココでは、それが当てはまらないのでR。

 ISOさんの「タモ、いる?」に、素直に「お願いします」と甘え返事をして、上がってきたのは68センチの立派な真鯛だった。今年後半は苦戦の連続で、口では「ハチマル」と言ってても、正直なところ「ゴマル」すら望めないのではないか?と凹んでいただけに、この一尾で元気が出た。

 この鯛を釣ったことで満足し、もう心は青森に向いていた、ギャハハ。釣り竿の後片付け開始(笑)。
 港に到着し、皆さんへの挨拶もそこそこ、3分以内に出発した。青森までは、夕方だと2時間弱は掛かる。幸いにして、前方には、さほど飛ばさない安全運転のトラック等が数珠繋ぎになって、スピード違反で捕まるなど、もってのほかで“無事、安全に、遅刻して到着”出来ました。関係者には大変ご迷惑をおかけしたことをお詫びし、今度からは無茶な釣行をしないよう心掛ける所存です。


★ return ★