今季は風が強い日が多いので、出船できるのかと落ち着かない日々が続いてましたが、今回は珍しく「ほぼ確実」な予報だったので気持ちは楽だった。

　平舘港を離れ、♪はるばる来たぜぇ〜平舘〜、逆巻く波を乗り越えてぇ（結構、ウネリが強くて船首の上下動は2メートルほどあった）〜〜と、口ずさむものの、なかなか停止しない。 本日、船首に二人で陣取ったトハナ君と「ん？魚探の反応悪いんだろか？」と噂。
　案の定、船長曰く「鯛の姿、見えませぇ〜〜ん」「ウッ!?やっぱりそうか、まずい」

　いつまでもクルージングしてるわけにもいかないってことで、電波塔付近で開始。水深約60m、潮はやや速いようだが、風に船が流されているためのような気がする。その風が冷たい。もう一枚インナーを着てくれば良かったかと少し後悔したが遅かった。

　船尾右舷の方が一投目でヒット。魚影が無いのに魚を掛けるとは、ギョエ〜！なんてダジャレはつまらない。ドラグが出てるので羨望のガン見したら、あともうちょっとでフックオフ。再び、ギョエ〜！と言うのは叱られるのでヤメる。
　針先に残っていたウロコから判断してどうやら青物だったらしい。今日はこの船尾右舷の方が沢山釣って楽しい釣りをしていた。

　開始から全くアタリがないまま2時間ほど過ぎた頃、トハナ君のロッドが曲がった。チョイ足りない手応えだったが、40センチ弱の本命ゲット。鯛飯にされることが決定。
　海面のあちこちでイワシがワラサに追われ、バシャバシャと波が立つので、ジグをキャストしてはヒットさせる人も出てきた。自分も一応、キャストしてみたがノーバイトで、真鯛からワラサへの浮気心を持つのはいけないと思い、ヤメた。

　再びカブラをチャポンと落とすと、まもなく、ずんっ！としなった。きたぁ〜。手応え十分。残り20メーターを切り、姿を現すのも時間の問題となった。船長もタモを抱えてそばでスタンバイ。10、9、8、7・・・フッ・・・なぬ？軽い！マジすか？んなアホな〜。悲し過ぎるぜぇ。と同時に、バラシの罪を背負うことにもなった。

　船長「あっ、イルカがいる」。あらららら、鯛が逃げるジャン。最悪だぁ〜。捕獲して浅虫水族館に連れてくぞ！あっち行け〜！シッシッ。

　（下に続く）

　（上から続く）
　9時。オレンジのカブラ75g（←左写真）をチャポンさせると、船底を通ってトハナ君のエリアへ落ちていった。そろそろ着底しそうだなとベールに手を充てるが、既に水深より20メートルも多く出ていた。怪しいな？とベールを戻してみたらジーーーと走り出した。オオォ〜、ヒット！

　やり取りをしやすくするため右舷から船首突端に移動し、映画「タイタニック」のようなスタイルに。胴調子で柔らかいロッドは綺麗に曲がるが、相手のパワーに負けていた。

　巻いても出されの繰り返しで、徐々に右腕が悲鳴を上げ始めた。「このままではじん帯が切れるぞ！ヤバイ」と一人大芝居を演じていた。先程のバラシがあったので、慎重に仕留めたかった。だがそんな余裕も徐々に無くなってきた。すると船尾でもヒット。タモを持つ船長に「まだ上がりそうもないので向こうを先にどぉ〜ぞ」と譲った。自分は休みたかった。容赦なくラインが出され、いつまで続くのか？

　相手が勝つか、オイラが勝つか、我が人生最大の大勝負だぜぇ〜！・・・なんてカッコ良く振る舞いたかったが、足がよろめいてそれどころじゃなかった。
　ヤツは今度、右舷側に移動し、自分も右舷へ。結局、魚に振り回されてただけかも。この頃から相手はワラサだと確信。ようやく顔を出してネットに収まった時、クーラーにへたり込んだ。口から針を外そうにも手先がプルプル震え、うまくコントロールが出来ない。ワラサは嫌いだ！（笑）！

　やっと外れて休めると思ったら、船長に写真を撮るため、右手にフィッシュグリップ、左手は尻尾を掴まされ、ドォ〜ン！と前に突き出すよう、ポーズをせがまれた。まだ元気のイイ、ワラサがクニョクニョ動くため、写真うつりが悪くなると、何度かポーズのやり直しを入れられて、ううう〜、グルジィ〜。早くしてぇ〜ナ。

　パシャ！　やっと地獄の撮影会が終わった（笑）。

　トハナ君が後半、凄い釣りをした。カレイを釣りたいとカブラにイソメをセットしてチャポンしたら、ヒラメがヒットした。形は似ているが、外道のヒラメをまさか釣るとは・・・。船長「メラッヒ〜が出たぁ」と喜ぶ。海面近くなってネットを見たメラッヒ〜がエイのように両側のヒレをヒラヒラさせて上手にバックし、船長「慌てない、慌てない、こんな時にバレるから、ゆっくり」。無事、ネットに収まり、今晩？明晩？のトハナ家の食卓に上がることとなった。

　午後便がヤマセの影響で中止になり、我々の午前便にちょっとだけ時間延長のサービスがされ、11時半頃まで粘ったが、魚からのサービスが無く、そのまま終了。

　帰宅後、計測の結果、これまで釣ったあらゆる魚の中で最大だった。82センチ。真鯛一筋の自分にとって、嬉しいような、悲しいような複雑な気分だった。