2005年の黒鯛釣果(8月3日)

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 納 竿 同行者 釣 果
8/3
かぶと岩
晴のち嵐 大潮 14:54 8:31 11:00頃 14:00 0 0

 浅虫のかぶと岩は、人気が高く、ウィークエンドはココに上がるのが非常に難しいらしい。「浅虫のクロダイ」初心者の私は、幸い、平日釣行が可能なので、かねてから一度上がってみたいと思っていた。先月、初めてカモメ島を訪れて、船頭さんから話を聞いた時「エッ、ホント?」「そんなに釣れるの?」との声が出たほど驚いた。数も出てるし、サイズもまずまずなのが出ているのだ。まさに灯台下暗しとは、このことで、自分自身、無知だったんだと反省である。ただ、ピークである7月上旬〜下旬に上がりたかったのだが、さまざまな出来事もあって叶わず、結局はカレンダーが8月になってしまった。

 8月の磯釣りは厳しかった。この釣行記を書く際、過去のデータを調べてわかったのだが、8月の黒鯛釣行は1999年以来、6年ぶりだった。なぜ6年ものブランクが空いたかと・・・・考えてみたが、考えるまでもなく、ただ単に暑すぎるから、やってなかった。ただそれだけのこと(笑)。また、99年は磯釣りではなく、やめようと思えばいつでも簡単にやめやすい「落とし込み釣り」。今回は“コマセ撒き撒き”の本格的釣行であり、前日から作戦を頭の中に描いていた。その中には、もちろん暑さ対策もあった・・のだが。

 今日は午前10時〜午後5時までの予定。近頃の状況を船頭さんに尋ねる。「ん〜〜〜、誰も釣りに来なくなったがら、よぐわがね」という。とほほ、みんな、ヤメちゃったのぉ〜?情け無いな〜。オトコだろ〜。もっと頑張れよぉ〜。でも、もしかしたら、黒鯛がおなか空かせてウヨウヨ群がってて、全部、独り占め?ニヒヒ……などと自分に都合良くも考えてみた。
 だが、磯に上がり、ものの5分で、みんなが来なくなった理由に納得した(笑)。暑い!風が全然無く、とにかく暑い。コマセを作ろうにも頭から吹き出した汗がメガネのレンズに溜まり、みんな大きく見えてしまう(ウソウソ。でも汗はホント)。いつもであれば、30分ほどで終わる準備が、何度も休みながら行なったため1時間近くかかってしまった。わずか1時間でペットボトル(500ml)1本が空いてしまい、いつもより多めに用意した3本が納竿まで持たない計算である。ココで暑さ対策の見通しの甘さが露呈する。

 第一投するとウキの投入点を中心にして小魚(イワシ?サヨリ?)が奇麗な波紋を描いて散らばった。エサ取りと騒ぐほどのパワーは無いので安心であるが、小魚とは別に海中には他のオトナ魚が居た。ラグビー、メバル、アイナメ、コチなどが活発に食ってくる。時折、小魚の波紋の後ろに大きめの波紋が出る。おそらく小魚を追いかけているフィッシュイーターなのだろう。何なのかわからないが、海は賑やかだ。黒鯛の荒食いに合わせて、とうもろこしの粒や練りエサも用意してきた。あるいは、足下の貽貝(イガイ)も使おうと考えたが、敵はエサ取りよりも暑さだった。頭に巻いたタオルはもはや絞ればジャーと出るほど、汗を吸い込んでいる(笑)。ライジャケも初めて着ないで釣りをしてしまった(ゴメンなさい、青森海保さん)。
 神様、お願いだから風と雨を少しでいいからちょうだい!  す・る・と、まもなく天気は激変したのだった。

(↓下に続く)

フォトギャラリー
↑穏やかな海はまだ良しとしても、湿度が高くて、無風状況の中での釣りは辛いですね。薄曇りとはいえ、紫外線が強く、肌の露出部はまた日焼けしてしまいました。もはや、田舎のとっちゃ状態です・・・・ん?誰?「その通りジャン」と言ってるのは? 上写真(左がカモメ島、右が裸島)。
下写真(離れ磯は材木岩と言うそうです。この名称はあちこちにありますね)。
上に掲載した写真とコレを比較するまでもなく、激変という文字がピッタシでしょ?短時間でこんなに変わる天気は、釣り人生の中で初めての経験でした。磯も怖かったけど、船釣りしてて港までの避難が間に合わなかった人はもっと怖かったかもしれません。 突然の嵐で黄色いバッカンは突風で飛ばされそうになるし、ご覧のような稲妻が目前で走った時には生きた心地がしませんでした。なお、稲妻は私の記憶に基づく手書き処理です。

 (↑上から続く)

 今日の釣行は、先月急逝した釣友まさひろさんの追悼も兼ねている。生前は「嵐を呼ぶ男」として恐れられており、付いたニックネームも「まさひゃろ大王」だった。その彼が現世から消え、あの世から私の釣りを見守ってくれるんだろうなぁ〜、ってのと、哀れに思ったら大きい黒鯛を釣らせてねぇ〜と考えていた。

 と・こ・ろ・が

 午後1時頃、なにやら空が暗くなり、風も出てきた。ひと雨がくるのは間違いなく、レインウエアに足を通したその時、ゴロゴロゴロゴロ。あれま?雷は怖いよ。今日は単独釣行で何かあってもすぐに対処できない。すぐに竿を置き、雨に濡れては困る物等を急いでバッグにしまいこみ、釣りをしばらく止めて様子を見ることにした。間髪入れず、強い雨がザァ〜〜ッと落ちてきた。まるで滝である。ウエアを少し早く着ておいて助かった。あの雨の中では、もはや手遅れだっただろう。空はすっかり暗くなり、光らない雷が四方八方で不気味に鳴り響く。実に怖い。
 稲妻が走り、ほぼ同時に空を引き裂くかのような物凄い音が・・・鳴った。先ほどまで、べた凪の海は全く姿を変え、荒い波が岸にどんどん押し寄せる。この波では舟の迎えは期待できず、とにかく収まるのをジッと待つことにした。離れ小島で、たった一人、釣りをした事を後悔する(笑)。

 雷ばかりが頭の中にあったが、次にやって来たのは、ハリケーンのような突風だった。コマセがまだ半分ほど入っていて、決して軽くない黄色いバッカンが、いきなり横に飛ばされたのには思わず目を疑った。竿ケースやフィッシングバッグも飛ばされては困ると、自身も飛ばないよう慎重に集めてそれらをすべてロープで絡めた。こんな突風は初めてだ。縦に降っていた雨は横なぐりになり、突き刺さるようなシャープさがある。アメリカのハリケーンの通り道に入ってしまったビデオ映像をテレビで見たことがあるが、あれに近い恐怖を覚えた。

 飛ばされないように体を丸めて、ジッとすること5分(くらい?)、海はまだ荒れ気味だが、やっと雷も遠ざかり、空が徐々に明るくなってきた。チャンス到来とばかり、竿をつかみ、早めに納竿して終わろうとマキエをした時、目の前に舟が出現した。バッテン・マークを彼は手で作っている。「ナニョ〜〜」と口をついて出たが、体のほうが素直に従っていた。荷物を超スピードでまとめ上げ、乗船(緊急早上がりにもこの頃、慣れてきたか?)。

 船頭さんは言った。「夏は急に変わるがら、悪いけど、上がってもらう。この嵐、もう一回来ると思うし」
 うむむ、もう一回と言われれば、従うしかないな。港に戻ると、サンセットビーチで泳いでいたと思われる若者たちとすれ違った。向こうはまさにTシャツ&短パンの軽装、こちとら長袖&長ズボンのレインウエア、しかも長靴履いて、カバンを二つに竿ケース一つの重装備。
 どちらが違和感あるか?と世間の目に問われているようで、早く駐車場に駆け込みたかった。

 磯釣りは秋(もしかして冬)まで封印だぁ〜〜〜。いやぁ〜、それにしてもまさひゃろ大王はホントの大王になっちゃったのかねぇ〜?

 ※最後に。 別な舟でカモメ島に渡った客2人がいたそうで、1枚ずつ、都合2枚の本命黒鯛を上げたとのこと。悔しいッス。


Back