2013年の真鯛釣果

場 所
天 気
潮回り 満 潮 干 潮 開 始 終 了 同乗者 釣 果
7/29
源氏ケ浦
晴れ 小潮 7:36 13:42 4:30 11:30 7 1
 釣行2回(平舘からの出船)がヤマセによる悪天候で連続中止になり、二週間も間が空いた。
 特に2日前、27日の釣りは、かつて経験のない中止だった。前夜の電話では「ひとまず平舘漁港に集合して、風の状況をみて決断する」ことになり、午後10時仮眠&午前2時に起床。起きてすぐ海況をチェックしてみると「東風、6m」。心が重くなる。日焼け止めを塗って、準備整え、車に乗り込んだ。キーをひねって、エンジンがククク〜と回った、その時、船長からの携帯が鳴った。
 「申し訳ないデス。とても出られる状況じゃないッス」
 うむ、確かにそうだろう。船長のグッドタイミングに拍手。すかさず次週土曜日に予約を入れて、再び家の中に入った。

 残された家族・・・いや、残されたイソメが2日後の源氏ケ浦までもつかどうか不安だった。
 前もって、そふえ釣り具店で長持ちさせる方法を尋ねたら、次のような答えが返ってきた。
 ・イソメはクーラーなどの温度が低い環境だと、細くなったり、ちぎれやすくなる
 ・暑すぎると、イソメは溶けてしまう
 ・適温は10〜15℃。今の時期は暑いので、エサの入った桐箱を新聞紙でくるみ、冷蔵庫、あるいは氷の入ったクーラーボックスに入れて冷えすぎないようにすればイイ

 早速、実行してみた。クーラーに氷が入ってたので、冷蔵庫でのイソメ保管は回避された。
 さぁ、エサ箱のフタを開けてみると、腐った臭いも無いし、指でチョンするとジャワジャワと動くことからバッチグー。

 前置きはココまでにして、本題に入る。
 7月上旬の源氏ケ浦は真鯛が忽然と消える異常現象になっていた。それがここ一週間ほどの間に本来の釣果が出るようになり、回復傾向にあるという。よって、今日は一枚ぐらいは獲れるだろうとタカをくくってフィッシングスタートした。

 自分は船尾に釣り座。潮は上層が緩く、ソニックが中層に差し掛かると船首方向に流れる。よって、キャストは時計の針で11時方向をイメージして行なった。
 右隣りの客は若そうだ。話を聞くと、現役の♪高校三年生ぇ〜、だという。ヨッシ、このオジサンがお手本を見せてあげると意気込んだが、開始して10分もなく、左隣りに陣取った彼のお父さんと叔父さん(かな?)にダブルヒット。しかも、70cmはある見事なサイズ。タモ入れをしたのは中山船長ではなく、この日、緊急参加・・・いや、計画的参加のビック師匠だった(笑)。時給600円で船長から依頼されたとか、しないとか、様々な憶測が飛び交った。

 デカ鯛を見せられ、コンドロイチン・・・いや、アドレナリンが溢れるが、まだ始まったばかり。残り時間が6時間20分もあるんだから、焦る必要などない。正しいキャストさえしていれば、そのうち食ってくるさ、ハハハ。

 ところが、この後、4時間ほど長い沈黙の時間が続いた。

 午前何時だろ? 達人ヒットマンさんに船中3枚目となる待望のヒットがあり、やっと活気づく。彼から「ココに入りませんか」と優しい声が掛かり、遠慮せず、船首側に移動した。

 釣れた人の釣り座に入ると、釣れそうな気分になれるのが凄い。が、まもなく、左隣の方の竿が曲がって、ドラグがジージーと鳴った。タモおじさん出動すると、今度は右隣の方にもヒット。ううう、サンドイッチ攻撃は精神的に辛い。刺激が強すぎるぅ〜。更に追い討ちをかけるように、船長のテンヤエビにヒットした、およよ。
 船長は役者である。コン、コンの前アタリに「来い、来い、来い」で皆の注目を引き、視線が集まったところで、大きなアワセを入れてくれる。「乗ったぁ〜」に続いて、ドラグがジージー鳴り、中山劇場に知らず知らずの間に引き込まれている。
 観念した鯛が浮いてきた。鯛は自分の目の前を左から右へ「ほれ、ほれ、見ろ!」とばかりに、スーーっと横切っていった。

 (下に続く)


フォトギャラリー
この鯛、記憶に残りそうデス 今回のヒットリグはコレ

 (上から続く)

 釣った人は、一抜けたとばかりに船尾へ移動し、釣ってない者は船首に3人残った。例の高校生クンもいる。もはや、お手本見せるというよりは、次はどっち?の競争へと変化していた。と、その時、コンコンと竿先に久しぶりの反応が・・・。
 ゆっくりハンドルを回して追い食いを期待したが嫌われた。ソニック回収後、イソメがボロボロになってるのがみつかり、フグの仕業だと判明。高校生クンにもアタリが出て、またフグかと思ったら、とんでもない、グイグイと突っ込んでるではないか。
 ぬわぁ〜んと!立派な真鯛だった。負けた。

 高校生クンが抜けて、残るボウズはいよいよ2人になった。仲間意識が芽生えると同時に、釣って抜け出したいという、相反する気持ちが交錯する(笑)。“心優しい船長”や“玉網オジサン”から「釣ってないの誰?」「鯛、いるよ」「残り二人か?」「遠慮しないで早く釣れぇ〜」と激励の言葉が容赦なく掛けられる。

 誰のキャストも及ばない船の舳先に登ってみる。映画「タイタニック」でディカプリオがローズを抱っこした、あの船首最先端である。足元に漁具が沢山あり、不安定であるが、ボウズ逃れのため必死である。ココは通称「ビック様のお立ち台」と呼ばれている有名ポイント。

 終了の時刻11時が迫ってきた。幸いにして、この日は午後便が無く、心優しい船長の取り計らいで延長30分が決定される。キャストの回数が増え、アタリを待つが、そう簡単にヒットするわけでもなく、時間だけが刻々と過ぎていった。強い日差しと過激な激励言葉に、体の水分が奪われ、ドリンクを飲むため、置き竿にした。
 ごく、ごく、ごく・・・喉越し爽やか〜と爽快感に浸っていた時、竿先がお辞儀をした。ん?アタリ? 再び、チョンチョン。オオオ〜〜、来てるワイ、と竿を手に取ると・・・

 グォ〜ン!!! 乗ったぁ〜〜。ジージー、ドラグ快調。船長の「鯛?」に自分「フグでぇ〜す」(笑)。

 カイカァ〜ン!まさか残り10分、しかもロスタイムでヒットだなんて、こんなドラマチックなことってアリかい?

 玉網オジサンの「良かったねぇ」に胸がジーンとくる(爆笑)。マジ、釣れて良かったぁ〜!けど、手持ちじゃなく、置いた竿に食ったというのも、自分的には「いかがなものか?なんでやねん?」と納得いかない。

 結果的にボウズをひとりぼっちにしてしまったのは悲しい。楽しい釣りする人もいれば、無念の結果に終わる人も出るのが「釣り」。そんなもんです、釣りは。だからこそ、釣れた時の喜びがあるんです。


★ return ★