あすぱむ徒然草
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9/21
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マグロ格闘記
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昨年は三度、龍飛マグロを追いかけたが、願い叶わず、シーズン終了となった。その無念を引きずったまま、年を越し、桜が咲く春を過ごし、冷夏を予想させたものの、いっちょまえに暑くなった夏を経て、またマグロの漁期が訪れた。今月上旬、龍飛のとぉ〜ちゃんから「釣れ始めたよぉ〜」と情報が入り、すぐにでも駆けつけたかったのだが、こちとら、真鯛を追っている状況ゆえ、後回しになっていた。その間、とぉ〜ちゃんは45キロと25キロ、2匹のマグロをゲットしていた。ちなみに、このマグロ、仙台の市場に出荷されたという。もしかしたら、これを読んでいるアナタの胃袋に消えたかもしれない。
午前5時、龍飛漁港を出港。早速、賑やかな「どんじょ無線」(一般的には「どうぞ」で自分の言葉を締めくくるが、龍飛ではナマって「どんじょ」あるいは「どぉ〜んじょ」になる)がやり取りされている。相変わらず、龍飛弁は聞き取りにくい(笑)。 それにしても「どんじょ無線」は、嘆き節ばっかりが聞こえてくる。船の脇でマグロがあざ笑うかのようにハネて、仕掛けを見抜かれているようだなどとため息交じりに話す。跳ねるのが見られるだけでもイイ。我が光洋丸の周りでは、まだそれすら見られないのだ。 とぉ〜ちゃんの漁法は「引き釣り(ひきづり)」といって、背中に針を付けたフクラゲを船尾から引きずって、約1ノット(時速約1.8キロ)の低速で走らせるというもの。もう一つは「ダブ釣り(地元の人は、ダンブづり、という)」。これはオレンジ色の丸いウキ玉を潮の流れに合わせて数個投入し、ウキ玉の先についた仕掛けにマグロがヒットすると、それを追いかけて回収するというもの。投入初期は一列になって流れていくが、潮の流れが複雑なところに差し掛かると、ウキ玉がバラバラになることがあり、ちゃんと位置を把握していないとエライことになるのだとか。せっかくマグロがヒットしても見失なえば、なんにもならない。大間ではハイテクで高価な魚探を使った漁法であるのに比べれば、実にローテクな漁法である。 話が長くなってしまった。結果は、もうお分かりかと思うが、今回もダメだった。私が「見たい、見たい」と、あまり言うもんだから、とぉ〜ちゃんも力が入ってしまって平常心のマグロ漁が出来ず、またまた御迷惑をかけてしまった。とはいえ、これでおしまいにするつもりはない。「また来ますね〜」と言うと「いづでもいらっしゃぁ〜い」と言われてしまった(笑)。こりゃ、また行くっきゃないっしょ。 |
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↑朝5時、他の船は既に出払った後で、光洋丸は遅い船出となった。とぉ〜ちゃん曰く「早く出ても釣れるってわげでね」
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↑仕掛けの準備中も周囲の状況には絶えず目を配っている。さすが生活がかかっているだけに真剣そのもの。
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↑竿から出た糸は約100m。ヒットすると竿先のリーダーが切れて、オレンジの浮きが弾丸のようにすっ飛んでいくのだという。
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↑仕掛けられた網が何かのせいで漂流してしまったらしく、回収してみると、長さ5mほどの竹の棒が直径70センチほどの白い発泡スチロールにセットされていた。これには夜になると点滅するライトが付いており、分解してみると、ご覧のように四角いバッテリーが出てきた。韓国製であることから、日本海を越えてあちらからこちらへ流れてきたモノだと推理出来る。ちょっと感動(笑)。
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↑ココは津軽海峡。マグロ漁船も多いがタンカーやフェリーも数多い。海が狭く感じるのは気のせいか?うんにゃ、違う。
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↑魚探です。右側の図が海底の様子。赤い部分が海底。水深97m。裏龍飛。潮の流れはかなり速い。
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↑引き釣りをしている船は黄色の回転灯を付けるのがルール。
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↑お昼、一旦、港に戻り、少し前に仕掛けておいた網の様子を見に行った。引き上げて見ると、いるわいるわ、小魚がわんさか。最も多かったのが小さなチュチュ(ウマヅラハギ)。他にサバ、アジ、ガヤ(メバルのこと)、クデ(一般名不明)、タナゴ、ヒラメ、スミイカ、フクラゲ。
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