あすぱむ徒然草

  三室戸寺リポート
 今から約1200年前、770年の創建(伝承)ということで、今回のアラフィフ修学旅行では、最も最古の寺・三室戸寺。観光ガイドには「みむろとじ」と平仮名がふっているが、バスガイドさんの発音は「みむろドジ」に聞こえた。ドジ、ドジ言われてるみたい。

 ま、そんなことはどうでもいいが、駐車場から上り坂の連続で、皆さん、結構、息切れがひどい。入り口の山門付近はまだ緩やかな坂なのだが、最後の難関=寺の手前は50段近い階段になっており、年齢的に膝に爆弾を抱えている方もいて、かなりつらそうに階段を上がっていたのが可哀想だった。なお、緩い坂道も階段の左側にあるが、こちらは緩いだけに距離が長くなるみたいだ。

 山門をくぐってしばらくすると、紫陽花庭園が右手に広がる。5000坪の広大な面積に、5月は2万株のツツジ、1000本のシャクナゲ、6月は1万株のアジサイ、7月はハス、さらに秋は紅葉の名所にもなると、庭園のうたい文句になっているが、10月はちょうど谷間だったようで、咲く花もなく一見して茶畑かと勘違いした。花の良い時期をネットで確かめると、うたい文句通りに綺麗だ。


 山 門 最後の関門、約50段の階段

境内の地図 紫陽花庭園。花の季節は見事な景色になる・・とか
本堂の半分を覆い尽くす工事用シート。残念だが、寺の維持管理のためには仕方ない

 本堂前に石で造られた大きな牛の像がある。宝勝牛と名付けられたこの像は、大きく開いた口の中に石の玉があり、これを撫でると勝運がつくといわれる。その右横には若乃花と貴乃花の手形がある。現役時代に勝運を付けようと、ココに足を運んだものらしい。観光客はほぼ間違いなく、手形に自分の手をあてがってみる。そして必ず言う。「ほぉ〜、意外に手が小さいなぁ〜」と。

 宝勝牛の向かい側には、狛犬ならぬ狛兎(コマウ?)があるのだが、あまりにも新しくてピッカピカで、古寺のイメージとは正反対の現代的な像なため、不信感を抱き、写真を撮らなかった(この上の写真にウサギが小さく写っています)。このアンバランスさは、ちと納得いかない。

阿弥陀堂 宝勝牛
霊泉「不動水」 お参り

左から阿弥陀堂、鐘楼、三重塔 三重塔(高さ16m)



  黄檗山萬福寺リポート
 観光バスに乗車する際の反省点が出てきた。
 TVで見た感じでは、ガイドさんが寺の中を誘導して歩き、ポイントごとに説明があるから、自分はただ耳を傾けて、パチパチ写真を撮ればいいんだと思っていた。
 ところが実際はバス内での説明はあったものの、寺の入り口まで誘導されたあとは、パンフレットを渡されて、ほとんどフリータイムだった。よって急いでパンフに目を通し、目ぼしいポイントを自分で探して歩き回り、時間までに戻るというパターン(萬福寺の場合は、僧侶が15分ほどわかりやすく説明をしてくれたが)。

 やはりガイド任せはいけない。自分でも調べて拝観する事が必要だなと思った。

 さて、萬福寺で撮影した写真を整理しながら「三門」はどれかな?と探したが、どれを見てもみつからない。拝観からもう一ヶ月近くなるために記憶も少し弱くなっており、心細くなってきている。ただ、どんなに考えても「三門」を見た記憶がなく、無くなりかけた歯磨き粉のチューブを搾り出すように脳みそを絞って「ハッ!」と気が付いた。

 駐車場から萬福寺までは少し距離があり、ちょっとだけ複雑な道のりで、予めガイドさんから「帰りも、こちら(わき道)を戻ってきてください。良く迷子になるお客さんがいます」と言われていた。つまり、横っちょ(文華殿の小路)から入ったため、いきなり天王殿を拝む形になり、総門と三門を通らなかったわけである。事前に調べないから、位置関係もわかっていない。それと少ない拝観時間なために足早になってしまって見落とす原因になったといえる。

 中国・明においても高名な僧だった隠元(いんげん)のために開創されたのが黄檗山萬福寺。「いんげん」と聞いて、あれっ?と思う方はたくさんいるだろう。そう、インゲンマメを日本に初めて持ち込んだのが隠元である。他に孟宗竹(もうそうちく)、スイカ、レンコンなどをもたらしたのも隠元だったが、こちらはインゲンスイカとか、インゲンレンコンとならなかった(笑:長過ぎて没になったか?)。
 寺の建築、仏像などは中国様式、寺内で使われる言葉、儀式の作法なども中国式。境内はまるで中国にいるみたいだ(行ったこと無いけど)。


 左は境内の配置図(パンフから)。僧侶より、斉堂前の回廊で説明を受けたのち、大雄宝殿に移動して更に説明を受けた。
 上は開板(かいばん)。叩いて食事や法要の時間を知らせるためのもの。木魚の原型。どんな音がするのか確かめたかったが、修行僧が食事と間違えて出てきては困るので出来なかった。
 開山堂(下)。

天王殿(てんのうでん)
 寺の玄関。本堂(この場合、大雄宝殿)の手前にこのような堂を置くのは、日本では珍しいが、中国では一般的な建て方だという。布袋尊・韋駄天像・四天王をお祀りしている。
この日は松の枝切りが行われていて、良いポジションで撮影できなかった
太鼓腹の布袋像(笑ゥせぇるすまん似?御免!) 回廊の上部両端には中国式の提灯

大雄宝殿(だいおうほうでん)
 日本では唯一最大のチーク材(南方産)が使われている。本尊釈迦三尊像(脇侍は阿難と迦葉)、十八羅漢像を安置。
本尊釈迦三尊像 直径1m以上ある大きい木魚
本尊釈迦三尊像の両サイドには阿難と迦葉、十八羅漢像が安置されている

法堂(はっとう)。欄干が卍崩しのデザインなのも中国風。内部の拝観は不可

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